カカオの特徴
カカオは南アメリカやアフリカ諸国で多く栽培されており、チョコレートの原料として有名な植物です。
カカオの葉は大形の長楕円形で、幹や枝の途中に、あまり目立たない白っぽい花をつけます。
カカオの花は木の幹や太い枝から直接咲くので、少し異様な見た目となりますが、これは、細い枝では、実になった時の重さに耐られないための自然の知恵になります。
その、花後にラグビーボール形の果実を年に2回つけます。
カカオの果実は長さ20〜30cm、直径10cmほどの卵型で、幹から直接ぶら下がる幹生果となります。
カカオの果実の色は赤や黄、オレンジ、緑など、その品種によって異なります。
この果実の中に 30〜60粒程のカカオ豆(cacao beans) と呼ばれる種子が入っています。
カカオ豆と豆を包んでいる「パルプ」と呼ばれる果肉を分離せずに一緒に発酵させることで、ココアやチョコレートの原料となります。
カカオ豆はその加工方法により、下記になります。
カカオマス
カカオマスとはカカオ豆の胚乳部分を焼いてすり潰し、固形状に固めたものです。
ココアバター(別名:カカオバター)カカオバターとはカカオ豆に45%程含まれている脂肪分のことです。
(カカオマスでは約55%がカカオバターになります。)
ココアパウダーココアパウダーとはカカオマスを脱脂して粉末にしたものです。
色はこげ茶色で、約300粒のカカオ豆からおよそ1kgのココアパウダーを取ることができます。
【カカオの効能】
カカオには強壮作用があることが古くから知られています。
最近では研究も進み、ココアパウダーに含まれる食物繊維やカカオポリフェノールの効能が、がんや動脈硬化などの原因といわれる活性酸素の働きを抑えるポリフェノールを多く含むことが分かり注目されています。
【カカオの利用法】
カカオの果実の種子を発酵乾燥したものを、ココアやチョコレートの原料として利用します。
カカオ豆の皮と胚芽を除いてすりつぶし、固形状に固めたのがカカオマスで、これに砂糖とカカオ豆に含まれている脂肪分のカカオバターを加えたものがチョコレートです。
カカオの栽培・育て方
カカオの栽培には規則的な降雨と、有機質に富んだ排水性のよい土壌、湿潤な気候が必要になります。
そのため、日本の気候では屋外での栽培には向かないので、温室などでの栽培が必要になります。
【植える時期】カカオは植付けは4〜6月、9〜11月が適期になります。
【植える場所】
カカオは熱帯植物ですので、高温多湿の温室での栽培が必要になります。
また、カカオは強い日光を嫌う性質がありますので、半日陰にする工夫が必要になります。
アフリカの栽培地では、カカオの周りにシェイドツリーと呼ばれる影を作る為の木を植えます。
【植え方】
カカオの木はとても大きく生長しますし、日本の気候では温室などの室内での栽培が必須になりますので、生長した後のサイズを考えて植えるようにしてください。
【収穫時期】カカオは年に2回、実が熟した際に収穫します。
【収穫方法】
カカオは年間を通して、5,000〜15,000個の白い花を付け、開花から約6か月くらいで実をつけますが、生長して実になるのはこの内、0.5%程度のみです。
そのため、1本の木から収穫されるカカオの実は、年間50〜80個程度になります。