ワサビの特徴
ワサビは多年生の水生桂物で、葉は心臓形で波状に不ぞろいの鋸歯があり、白く小さな花を総状花序につけます。
全草に辛味がありますが、根茎は肥大して、最も辛味の強い部分となります。
ワサビは日本に自生する和のハーブで、寿司や剌身などの日本料理には不可欠であり、日本特産の香辛料として世界的に知られています。
ワサビの利用の歴史は古く、食材としては鎌倉時代から、禅寺にて自生していたものを食用にしていたのが初めとされています。
また、食用にしていたかは分かりませんが、奈良時代の文献にワサビのことが記載されています。
広く利用されるようになったのは江戸時代で、寿司やそばが庶民の間で広く食べられ、それにともない薬味としてワサビが一般に広がることになりました。
ワサビはおよそ350年前に、静岡県静岡市の安倍川流域の有東木で栽培が始まったといわれています。
その後、伊豆湯が島の特産品となり現在に至るとされています。
【ワサビの効能】
ワサビには殺菌作用や抗菌効果、抗カビ作用などがあることが分かっています。
【ワサビの利用法】
ワサビの根茎は薬味や香辛料に、葉や茎は漬けものやつくだ煮に利用します。
若葉やつぼみ、花も調理して食用にできます。
ワサビの辛みは根茎の先端には少なく、上部(葉のつく方)から静かにすりおろすと、風味や辛みが強く出ます。
ワサビの辛み成分は揮発性で、根茎をすりおろしてしばらくすると、辛みは消えますが作用は持続するので、食品の品質保持剤としても利用されます。
ワサビの栽培・育て方
ワサビは清流で栽培するようにします。
ワサビの生育適温は8〜20℃程度で、水温が16〜18℃の環境で最もよく育ちます。
冷涼な環境での栽培が基本ですので、家庭の庭やベランダ栽培などでは、シビアな温度管理が必要になります。
ある程度、環境に順応しますが、気温が30℃を超すと栽培は困難です。
アブラムシなどの虫がつきやすいので、栽培時には注意するようにします。
アオムシは主に春に発生し、ワサビの葉を食害しますので、見つけ次第、駆除するようにします。
植える時期:ワサビの植え付けは3〜4月が適期です。
株分けは、3〜4月、10月が適期です。
ただ、株分けをしないのであれば、植え替えをする必要はありません。
植える場所:ワサビは夏、涼しい場所で栽培します。
30℃を超える場所での栽培は、あきらめた方がよいでしょう。
植え方:
ワサビの購入した株はきれいに土を落として、新しい用土で植え付けるようにします。
ワサビはできるだけ秋に植え付けて、冬が来るまでに充分根を張らせた方が翌春からの生育がよくなります。
ワサビを複数いっしょに植える場合は、株と株の間隔は20cm程度あけます。
収穫時期:
ワサビは9月から翌年5月にかけて収穫することができます。
収穫方法:
株から育てたワサビは、2年くらいで収穫できるようになります。