フェンネルの特徴
フェンネルは古代ギリシャやエジプト時代から料理や薬用として栽培されてきたハーブです。
アニスに似た香りの葉は、魚料理によく合い、「魚のハーブ」と呼ばれこともあります。
その他、パン、アップルパイ、カレー…など、さまざまな料理にスパイスとして使われます。
このハーブを料理に使い始めた国はイタリアと言われ、パンを焼く窯にフェンネルを敷きつめ、風味をつけたりしております。
フェンネルの和名は「ウイキョウ」で漢方薬として知られ、中国では漢字で「茴香」と書きます。
これは腐りかけた魚肉に混ぜるとよい香りが回復することから、「回香」と呼ばれたことに由来するそうです。
フェンネルの茎は中空で、分枝して2m程まで生長します。
根出葉には長い葉柄があり、上部の葉柄はやや短く、3〜4回羽状複葉で糸状に細く分かれます。
フェンネルの花は、複散形花序に無花弁の小さな黄色い花で枝の先に多数つけます。
花後には米つぶに似た種子をつけます。
【フェンネルの効能】
フェンネルには催乳作用や強壮作用、食欲増進、健胃効果があります。
また、フェンネルのハーブティーには便秘の解消、解毒・利尿作用、生理不順、関節痛の緩和、ダイエット効果、消化促進などの効果があります。
【
フェンネルの利用法】
フェンネルはその魚料理の相性の良さから、中世の修道院や中国では、魚の生臭さを消すために利用されてきました。
フェンネルの葉は、その他にサラダやソース、スープ、ピクルス、ビネガーにも利用できます。
フレッシュな葉は、美しい色のハーブティーとして、消化の促進や上記の効能があります。
種子はパンやクッキー、リキュールなどの香味づけスパイスとして使うことができます。
フェンネルの花はドライフラワーにも使われます。
フローレンス・フェンネルは太い株元を野菜として利用することもできます。
フェンネルの栽培・育て方
フェンネルの花と種子は、アカスジカメムシやキアゲハの幼虫に食害されるので注意するようにしてください。
霜の降りる時期や果実の熟した頃に地上部が枯れてしまいますが、翌年の春になると新芽がふいて多数わき芽を出し、再び元気に育ちます。
草丈が伸びすぎて倒れてきたら、支柱を立てるようにするとよいでしょう。
交雑を避けるため、ディルの近くには植えない。
植える時期:
フェンネルの植え付け時期は、4〜5月および9〜10月が適期です。
種まきも4〜5月、9〜10月が適期です。
植える場所:
フェンネルは日当たりがよく、排水のよい場所に植えるようにします。
植え方:
フェンネルは直根性で、太い根がでますが枝分れしにくい性質なので、植え替えの際に太い根を傷めると、なかなか根付かないので、一度地植えにすると他の場所への植え替えは困難になります。
移植に弱いので直まきか、プラグトレーにまいて、本葉3〜4枚で株間50cm程で定植します。
定植の際は、堆肥を元肥にします。
収穫時期:
フェンネルの葉の収穫は3〜11月にかけて長い間、行うことができます。
また、種の収穫は8月になります。
収穫方法:
葉や茎はほとんどいつでも収穫できますが、できるだけやわらかい部分を収穫します。
収穫後、株元で刈り込むと、翌春に新芽が出て、再び生長します。
フェンネルの種子の収穫は、種が褐色をおびてから花枝ごと摘み取り、紙袋などに入れて乾燥して保存します。