ウメの特徴
ウメは中国が原産の樹木ですが、日本の各地で栽培されています。
ウメはまだ寒さが緩まない2〜3月ごろ、白や紅色の花をつけます。
春がそこまで訪れていることを気づかせてくれる梅の花は、サクラと並び、古くから日本人に愛されてきました。
冬の寒さがまだ厳しい時期に、一輪また一輪と咲く梅の花は、派手な美しさこそ感じられませんが、そこはかとなく耐える力強さといったものを感じさせる早春の花です。
室町〜江戸時代にかけてウメの品種の改良も盛んに行われ、庭木や鉢植えなど幅広く、楽しむことができるようになりました。
品種改良の結果、ウメの品種は300種ほどにのぼります。
ウメの花は基本的には5弁の白い花で芳香がありますが、花色は淡紅、濃紅、紅、斑入り、すじ入り、移り白(蕾のうちは薄紅で、開花につれて白く変化する花)など多彩で、花弁も一重と八重とがあります。
また、ウメの実は6月頃に収穫することができます。
【ウメの効能】
ウメには食欲増進効果がある上に、嘔吐や胸やけ、下痢に有効で、優れた整腸効果があることが知られています。
また、体力増強や疲労回復、咳、微熱にも効果があり、風邪の際の症状の緩和と回復に効果があります。
その他、食中毒や細菌性による下痢などに効く抗菌作用や水虫などの真菌(カビ)を殺す殺菌作用、食物アレルギーや急性ジンマ疹に効果を発揮する抗アレルギー作用などあることが認められています。
神経痛や不眠症、暑気あたり、肩こりにも効果があります。
【ウメの利用法】
ウメの果実は梅酒や梅干し、ジャムなどに利用できます。
ウメの栽培・育て方
ウメの剪定は年に2回程度行うようにします。
葉が落ちた後の初冬に、一定の大きさを保つため、枝先を切り詰めるようにします。
8月中旬くらいまでの夏期に、長く伸びた枝を切り、樹形を整えます。
そうすることで、翌年の花つきもよくなります。
【植える時期】
ウメの植え付けは10〜12月が適期ですが、寒い地方では3月以降にずらすのもおすすめです。
【植える場所】
ウメは日当たりさえよければ、さほど土質を選ばず、非常によく花が咲かせることができます。
【植え方】
ウメを植える際には根鉢の土を2/3程落とし、細かい根を残し、幹の太い根は強めに切って植えます。
植え付けてから2〜3年の間は、冬に40kgほどの緩効性化成肥料と乾燥鶏糞を1kgほど施します。
成木は肥料が多いと徒長枝が多くなり、少ないと下葉が早いうちに落ちるようになります。
【収穫時期】
ウメの果実は6月ごろに収穫することができますが、使用目的によって多少収穫時期が異なります。
梅酒に使う場合には比較的早い段階で収穫し、梅干しやジャムに利用する場合は、完熟してから収穫します。
【収穫方法】
完熟した果実を収穫する場合には、ネットなどを使って完熟した果実が落ちてくるところを収穫する完熟落果収穫がおすすめです。
完熟落果収穫は青ウメ収穫より果実肥大が進み、収穫量が増加するという効果もあります。