ハマボウフウの特徴
ハマボウフウは日本の沿岸地方の砂地に自生する多年草で、正月の雑煮のあしらいや、刺身のつまなど、日本料理には欠かせない高級野菜のひとつです。
別名のヤオヤボウフウは、明治時代から八百屋の店頭に高級野菜として並べられていたことから八百屋防風と呼ばれるようになったようです。
ハマボウフウの葉は厚く光沢があり、地面に広がって伸び、小さく白い花を複散形花序につけます。
花序は肉質のある白色で、カリフラワーに似ており、種子の側面には6〜7本のひだがあります。
葉の表面にはクチクラ層が発達しており、肉厚でつやがありますが、花期以外はあまり高く伸びず、丈が低いのが特徴です。
根は、ゴボウに似た根が地中深くに伸びます。
【ハマボウフウの効能】
ハマボウフウには風邪の諸症状や発汗作用、解熱作用、鎮痛作用、発熱、頭痛、関節痛などの効果があります。
基本的にはボウフウと同じ効能があるようですが、各々の効果は少し弱いと言われています。
【ハマボウフウの利用法】
ハマボウフウは若芽を剌し身のツマなどの食用にし、根を乾燥させて民間薬として利用することができます。
食用としては刺身のツマや正月のあしらいの他に、さっと茹でたものを酢の物、あえもの、おひたし、炒め物、煮物に、 生の根、根茎は味噌漬けになどにして食べます。
薬草として利用する方法は、乾燥させた根を10gほど、200ccの水で約半分程まで煮詰め、熱いうちに服用します。
ハマボウフウの栽培・育て方
ハマボウフウは日本各地の海岸の砂地に自生するほどなので、それほど栽培は難しくなく、土寄せや盛り土をすることで軟らかく仕上げる軟化栽培でよく育ちます。
水やりは表土が乾いたらば充分に与える程度で十分です。
【植える時期】ハマボウフウの植え付けや植え替えは3〜4月が適期になります。
【植える場所】ハマボウフウは日当たりと水はけのよい砂地に植えます。
【植え方】
ハマボウフウの根は大変長いので、鉢植えよりも、畑で栽培するほうが適しています。
鉢植えにする場合は、底の深い鉢で栽培する必要があります。
【収穫時期】ハマボウフウの収穫は7〜8月ころが適期になります。
【収穫方法】
ハマボウフウの若芽や葉の収穫の場合は、必要量の地上部の茎を刈り取って収穫するようにします。
薬用としての根の収穫は2年以上の株を掘り起こして、水洗いをしてから、日陰で乾燥させて保存します。