ヒソップの特徴
ヒソップは初夏から夏にかけて、青紫色の花を枝先いっぱいに咲かせる、姿の美しいハーブとして人気があります。
ヒソップのハーブとしての歴史は古く、語源はヘブライ語のezof(holy herb)で、神聖なる場所を清めるために使われたり、古くから薬草として用いられてきました。
ユダヤ教では「聖なるハーブ」とされ、清めとして食べる習わしがあったと言われています。
ヒソップの茎は基部でよく分枝して直立します。
葉は対生の披針形で、細く柳の葉のようなので、ヤナギハッカという和名もあります。
花は唇形で、茎の片側に集まり、総状花序に多数の花をつけます。
花色は青紫や桃、白などの種類があります。
ヒソップはかつて、薬や酒作りに用いられ、昔の本草書には薬効や作り方が掲載されています。
それが、10世紀にはヨーロッパに広まり、修道院製のベネディクティンというリキュールが作られることになりました。
室内を清浄する目的として、床にまくハーブとしても利用されました。
【ヒソップの効能】
ヒソップには咳を止める効果や発汗作用があり、風邪やインフルエンザ、気管支炎などの呼吸系の症状の緩和に効果があります。
その他、リウマチの症状の改善や、血圧を正常化させる効能、整腸作用などがあると言われています。
【ヒソップの利用法】
ヒソップの葉には独特の苦みと風味があり、ハーブティーにして飲んだり、レバー、ラム、豆料理に利用します。
美しい花は青紫色だけでなく桃色や白色もあり、ドライフラワーや花壇の彩りとして利用します。
また、チョウが嫌うコンパ二オンプランツにもなります。
ヒソップの栽培・育て方
ヒソップは日当りと水はけがよければ、土については特に選びません。
ヒソップは高温多湿は苦手ですので、梅雨や夏の時期には風通しをよくするために剪定し、花後に全体の1/3まで扇形に刈り込むと、翌年の株の形がよくなります。
【植える時期】
ヒソップの植え付けは3〜6月か9〜10月が適期となります。
また、挿し木は5〜6月が適期になります。
【植える場所】
ヒソップは日当たりよい場所に植えるようにしてください。
【植え方】
ヒソップは春か秋に種子をまき、本葉6枚で3号ポットに仮植えをし、根が底から出てきたら主枝を摘芯して株間30cmほどで定植するようにしてください。
発芽後は、葉が重ならないように間引きを繰り返してください。
【収穫時期】
ヒソップは6〜8月にかけて、収穫をすることができます。
【収穫方法】
ヒソップの葉を乾燥させて使う場合の収穫は、開花前に枝ごと刈り取るようにし、日陰で逆さに吊してよく乾かします。
葉や花を生のまま使う場合は、つぼみが開きかける頃に摘み取ります。