【染める色】
ハーブ染めの染め上がりの色は、アースカラー(自然に由来する色)のものが多く、ナチュラルでやさしい色が特徴でもあります。
ハーブ染めの色の仕上がりは、同じハーブを使っても、育った環境や染め液の濃さ、染める布の素材、温度などの条件によって微妙に変化します。
なかなか同じ色に染まらないところも手染めの面白さです。
【染める素材】
ハーブの染色に用いる素材は、ウールやシルク、木綿、麻などの天然繊維の他に、合成繊維でもOKですが、染まりやすいのは、シルクやウールなどの動物性繊維です。
初めて染色にトライする際は、シルクのハンカチなど、小さくて染めやすいものからにするのがおすすめです。
何度か経験して染めの作業に慣れてきたら、大きなものやウールなどにチャレンジしてください。
【染色に使うハーブ】
たいていのハーブは染色に使うことができます。
そのため、好みのハーブがどんな発色をするかが、ハーブ染めの魅力のひとつでもあります。
染色に適したハーブは、その学名に、「tinctorius」や「tinctorium」などが付いています。
【媒染剤】
染色の際に色をよく付けるために使う媒染剤として、ミョウバンが染液のままの色が出やすく、取り扱いも安全なため、初心者にはおすすめです。
他の媒染剤としてはアルミ、銅、鉄、クロムなどがあり、同じハーブで同じ素材を染めても、使う媒染剤によって染め色が変化します。
染色を繰り返して作業に慣れてきたら、媒染剤を替えることによって、好みの色を出すようにするのも楽しみの一つです。
染め方
【染める前の精錬】
ハーブの染色で色をキレイに仕上げるためには、素材を中性洗剤少量を溶かした50℃前後の湯に入れて洗い、よくすすいで不純物を落としてから染色作業をします。
この作業を精錬と呼びます。
精練済みの素材も市販されていますが、それでも下染めの前には一度ぬるま湯に浸して精錬すると、より一層、色鮮やかに染めることができます。
【材料と道具】
● 染める素材
● ハンカチの重さと同量程度のハーブ
●
媒染剤(ミョウバン:染液1リットルに対して2g)
● ステンレス製の鍋
● 水洗い用の容器
● 媒染剤を溶かす容器
● ザル
●
ゴム手袋
● 温度計
● 先の丸い箸
● クッキングペーパー
【染め方】
@ 染液を作る鍋に粗く刻んだハーブと水を入れて、火にかけてください。
温度が70℃ほどまで上がったら弱火にして、温度をキープしながら40〜50分煮出してください。
A 染液をこす
ザルにクッキングペーパー(かガーゼ)を敷き、煮出した染液を熱いうちにこしてください。
B 下染め
40℃程度に冷ましたところに染める素材を入れ、再び火にかけ70℃までゆっくり温度を上げていきます。
色むらにならないように、ときどき静かにかき混ぜながら、70℃をキープし、20〜30分ほど煮てください。
時間が経過したら素材を引き上げ、染液を40℃に保っておくようにしてください。
C 水洗い
ぬるま湯を入れた容器に下染めした素材を入れ、除々に水を足しながら水温を変えてすすいでください。
D 媒染
熱湯で溶かしたミョウバンをぬるま湯に入れ、よくかき混ぜ、その中に水洗いした素材をを入れてください。
火にはかけず、20〜30分ほど浸し、色むらにならないよう、数回かき混ぜてください。
E 水洗い素材を取り出し、流水でよく洗ってください。
F 本染め
下染めに使ったBの40℃にしておいた染液に素材を入れ、火にかけて70℃まで上げ、温度をキープしながら好みの染め上がり具合を見計らいながら煮てください。
5〜20分が目安です。
G すすぎ
素材が頃合いよく染まったところでを染液から引き上げ、ぬるま湯でよくすすぎ、軽く脱水してください。
H 陰干し
最後に、直射日光が当たらない、風通しのよい場所で陰干しして出来上がりです。