ハーブの歴史
ハーブをお茶にして飲む歴史は、まさに欧米の生活の知恵の集大成ということができます。
古いものとしては古代エジプトのパピルスにハーブを活用していたことが記されています。
アロエが健胃薬として使われていたとされています。
この他にも、コリアンダー、ザクロ、センナ、タイム、ヨモギ、ペパーミント、バジル、サフランなどが既に効果のあるハーブとして使われていたと言われています。
インドにおいても紀元前2350年ごろのインダス文明の時代に「アーユル・ヴェーダ」に薬草とその効能がまとめられています。
その他、紀元前の中国やギリシャでもハーブを薬として用いられたという記録が発見されています。
ローマ時代に入り一世紀には実証的な本草書として「マテリア・メディカ」に約600種の薬草が記されました。
現存する最古の本草書で16世紀に至るまで、影響を与えたといわれています。
ローマ帝国は最大時にはブリテン(イギリス)にまで勢力を広げ、ローマの兵士たちがハーブを携えることにより、ハーブがヨーロッパ全土に広まったとされています。
比較的新しいアンデルセンの童話には、びしょぬれになって帰ってきた男の子にお母さんが「ニワトコのお茶」(エルダー・フラワー)を飲ませるくだりがあります。
これにより、エルダーには体を温める効果があることが、一般的になっていたことがうかがえます。
また、イタリアのフィレンツェの街角には、今でも13世紀から続くハーブ薬局があります。
これは、今から700年以上も前に、修道士たちが庭に薬草となるハーブを植え、そのエッセンスを取り出して人々に与えていたころからの由緒ある薬局です。
一方、アメリカ大陸でも、定住型の先住民族が暮らすニューメキシコに行くと、野原に咲くハーブを刈り取って乾燥させている風景に出くわすことがあり、先住民族がハーブを薬にしていたと言われています。
このように、欧米では古くからのハーブを薬のように用いる伝統があり、それは今でも受け継がれています。