ハイビスカスの概略
ハイビスカス
アオイ科 落葉広葉低木
【学名】 Hibiscus
【別名】 ブッソウゲ
【原産地】 熱帯アジア、ハワイ
【花期】 3〜11月
(熱帯地方では通年)
【結実期】 −
【耐陰性】 なし
【耐寒性】 普通
【最低温度】 5℃
【乾燥】 弱い
【肥料】 置き肥
【殖やし方】 挿し木
【病害虫】 アブラムシ、ハダニ
【育てやすさ】 簡単
ハイビスカスの特徴
ハイビスカスは熱帯花木の代表的な花ともいえる植物で、その派手で存在感のあるトロピカルな印象の大きな花が最大の魅力です。
ハイビスカスはフヨウヤムクゲと同じ仲間の花で、マレーシアの国花やハワイの州花として知られますが、日本でも古くからブッソウゲという名前で親しまれてきました。
熱帯地方や日本の沖縄では、一年中花を楽しむことができ、庭木や街路樹、公園樹などとして親しまれています。
ハイビスカスの名前はエジプトの美を司る「ヒビス」に由来し、「ヒビスのように美しい花」という意味の名前です。
またエキスを抽出したハイビスカスティーは、クレオパトラも好んで飲んでいたと伝えられています。
ハイビスカスの花には豊富な種類があり、その色もさまざまで、赤やピンク、オレンジ、白などのものが出回っています。
花の咲き方のいろいろな種類があり、一重や半八重、八重があります。
ハイビスカスの品種もさまざまで、世界で5000種以上あるとされ、在来系(オールドタイプ)、ヨーロッパ系(コーラルタイプ)、ハワイ系(ハワイタイプ)に大別されています。
在来系は古くから交配されてきた歴史があり、花は中輪や小輪ですが、丈夫でよく育つので、育てやすいのが特徴です。
ヨーロッパ系は花色のバラエティーが豊富ですが、寒さにはやや弱いのが特徴です。
ハワイ系にはさまざまな種類があり、ゴージャスな花が特徴です。
ハイビスカスはハーブティーにも使われますが、これは観賞用の園芸種ではなく、「ローゼル種」と呼ばれるものです。
ハイビスカスティーに利用する花は、花を乾燥させるのではなく、花の終わった後に発達してくるガクが使われます。
ハイビスカスの育て方
日当たり:
ハイビスカスは耐陰性がなく、日当たりを好む花木です。
置き場:
ハイビスカスは春〜秋にかけては日当たりがよい場所に置きます。
冬は暖かい室内に取り込み、日当たりのよい場所においてください。
水やり:
ハイビスカスの水やりは、春〜秋の生育期にかけては鉢土が乾いたらたっぷりと与えるようにします。
越冬のために、冬は水やりを控え乾かし気味に管理してください。
ただし、十分暖かい環境であれば冬でも新芽が伸びますので、その場合には、乾かさないように水を与えるようにします。
肥料:
ハイビスカスの施肥は、春〜秋の育生期にかけて、2〜3ヶ月おきに緩効性の化成肥料を置き肥として与えます。
植え替え方法と時期:
ハイビスカスは生育が旺盛ですので、根詰まりしてしまわないように、毎年植え替えが必要になります。
ハイビスカスの植え付けや植え替えは、5〜6月が適期になります。
ハイビスカスの植え替えは株を鉢から抜き、根鉢を1/3〜1/4ほどほぐし、傷んだ根があれば取り除いて、一回り大きな鉢に植え替えます。
植え替え直後は風の当たらない明るい日陰に置き、鉢土が乾いたら水を与えます。
新芽が出始め、充分に伸びたら通常の管理に戻します。
剪定やスタイリング:
ハイビスカスは生育旺盛なので、育生期にはすぐに大きく生長します。
大きくなりすぎたら思い切ってカットするようにします。
剪定の際は、各枝を1/2〜1/3ほどまでカットしても大丈夫です。
枝をカットする場所は、葉柄のつけ根にある脇芽のすぐ上を切ります。
こうすることで、脇芽が伸びて樹姿が整います。
病害虫:
ハイビスカスの管理で注意が必要な病害虫は、夏〜秋にかけてのアブラムシやハダニになります。
私もアブラムシにはいつも泣かされています。
これらの発生を見つけたら、早期に薬剤散布し駆除してください。
葉水を与えることにより予防にもなります。
越冬:
ハイビスカスはある程度の耐寒性はありますが、寒さにはそれほど強いわけではありませんので、越冬のためには暖かい室内に取り入れて管理するようにします。
冬越しのための最低気温の目安は5℃以上になります。
室内に取り込んだら、できるだけ窓越しの光に当ててあげるようにします。
殖やし方:
ハイビスカスは春〜夏にかけて挿し木で殖やすことが出来ます。
挿し木の方法は、元気な枝を10cmほど切り取り、葉は下葉を落とし、枝先の2〜3枚のみを残すようにします。
葉が大きい場合には葉を1/2〜2/3ほどにカットします。
新しい観葉植物用の土に植えたら、風の当たらない日陰で、水を切らさないように管理します。
1〜2ヶ月ほどで発根し、新芽が出始めたら鉢上げします。