アジアンタムの概略
アジアンタム
イノモトソウ科 常緑低木
【学名】 Adiantum raddianum
【別名】 クジャクシダ、クジャクソウ、カラクサホウライソウ
【原産地】 中南米
【花期】 −
【結実期】 −
【耐陰性】 強い
【耐寒性】 強い
【最低温度】 0℃
【乾燥】 弱い
【肥料】 置き肥
【殖やし方】 株分け
【病害虫】 カイガラムシ、ナメクジ
【育てやすさ】 普通
アジアンタムの特徴
アジアンタムは鮮やかな艶のある緑色の小さな葉がたくさん付き、細い枝にこんもりと茂り揺れるその姿が涼しげで人気の観葉植物です。
アジアンタムは、葉がたくさんあるように見えますが、実際は一枚の葉が細く分かれたもので小羽片と言われるものです。
アジアンタムは中南米とアジアの温帯〜熱帯地方にかけて分布し、日本にもいくつかの種類が自生しています。
アジアンタムの名前は、葉が水を弾くことから、ギリシャ語で「濡れない」を意味する「アジアントス」に由来します。
アジアンタムにはいくつもの種類がありますが、特に観葉植物として人気のある種類を下記に紹介します。
ラディアヌム
熱帯アフリカ〜南太平洋に分布し自生する種類です。
アジアンタムの代表的な品種で、こまかい葉をたくさんつけるのが特徴で、フリッツルーシーやスリッツ・ルシー、オーシャン・スプレーなどの園芸品種が市場に出回っています。
フリッツルーシー
ラディアヌムの園芸品種で、茎が立ち上がるのが特徴です。
トラペジフォルメ
熱帯アメリカ原産の大型種で、羽状の長く大きな葉が特徴です。
少し薄い緑色の葉が大きく伸びたように育ちます。
ヒスピドゥルム
葉の色が暗緑色で、艶のある姿が人気です。
アジアンタムの育て方
アジアンタムはシダ類ですので、葉の裏側に黒や茶色の粒々がつきます。
これは病害虫と勘違いされることがありますが、胞子の入っている胞子嚢と呼ばれるものですので心配はありません。
アジアンタムは赤い新芽を出します。
これも病気と勘違いされることがありますが、問題はありません。
生長と共に緑色に変わってきます。
アジアンタムは乾燥に弱いので、乾燥しやすくなるエアコンなどの近くには置かないように注意してください。
日当たり:
アジアンタムは耐陰性がありますが、基本的には日の光を好みます。
明るい日陰が最適です。
置き場:
アジアンタムは耐陰性がありますので、日陰でも育ちますが、一年を通して半日陰や明るい日陰で管理するようにします。
春〜秋にかけては葉焼けを防ぎ、葉の繊細さをキープするために直射日光を避け、レースのカーテン越しぐらいの明るい日陰で管理するのが最適です。
冬はなるべく日当たりに置き、ガラス越しの日の光に当ててあげるようにすると元気に育ちます。
また、アジアンタムは乾燥を嫌いますので、室内の管理の場合には、冷暖房の風が当たらない場所に置いてあげるようにしてください。
水やり:
アジアンタムは鉢土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
夏には鉢土が乾かないようにするために、毎日水やりが必要になります。
エアコンなどで空気が乾燥する環境で管理している場合には、葉水も与えるようにしてください。
葉水を与える際には上からだけでなく、下からも与えるようにしてください。
水やりが足りないと葉がチリチリになって枯れてしまうことがあります。
葉がこうなるのは直射日光に当てた場合か、水切れによるものなので、直射日光に当てていなければ原因は水やり不足ということになります。
肥料:
アジアンタムの施肥は春〜秋にかけて緩効性の化成肥料を2〜3ヶ月おきに置き肥します。
元気がない場合や生長期には1ヶ月に1〜2回ほど速効性の液体肥料を与えます。
植え替え方法と時期:
株が生長して大きくなり、鉢底から根がのぞくようになったら植え替えが必要です。
根土を落とし、清潔な専門用土を入れ一回り大きな鉢に植え替えます。
大きくしたくない場合には根を1/3ほどカットするか、株分けをし、同じ(大きさ)の鉢に植えるようにします。
剪定やスタイリング:
アジアンタムはこんもりと育て、ハンギングにするのも人気のスタイルです。
また、同じ環境で育てられる観葉植物と寄せ植えにするのも人気です。
小さな葉を利用して、寄せ植えの縁取りにしたり、テラリウムに添えたりと、お好みのスタイルで楽しんでください。
アジアンタムは直射日光による葉焼けや、水切れにより葉がチリチリになってしまうことがあります。
一度、この状態になってしまうと水やりをしても葉は再生しません。
そのため、この部分をカットして取り除く必要があります。
また逆に多湿状態では、葉が蒸れて黒く腐ってしまうことがあります。
葉がこれらの状態になってしまったら、ダメージを受けた葉をカットし、切り戻してあげる必要があります。
葉が痛んでしまったときには痛んだ部分のみを取り除いてもOKですが、ダメージを受けた部分が大きい場合には、思い切って地際から2〜3pほどまで切り戻して、株を再生させるようにします。
病害虫:
アジアンタムの管理で注意が必要な病害虫は、春〜秋にかけてのカイガラムシとナメクジになります。
特にナメクジは新葉を食べてしまうので注意してください。
長く新芽が出ない場合には、鉢底などにナメクジがいないか調べてください。
ナメクジを発見したら、速やかに薬剤散布などにより駆除してください。
越冬:
アジアンタムは耐寒性がありますので、凍らない環境であれば屋外でも越冬させることが可能です。
越冬のための最低気温の目安は0℃以上になります。
殖やし方:
アジアンタムは春〜夏にかけて株分けで殖やすことが出来ます。