カラジウムの概略
カラジウム
サトイモ科 常緑多年草
【学名】 Caladium
【別名】 カラジューム、ニシキイモ、ハイモ、ハニシキ
【原産地】 中南米
【花期】 7〜8月
【結実期】 −
【耐陰性】 あり
【耐寒性】 普通
【最低温度】 8℃
【乾燥】 普通
【肥料】 液肥
【殖やし方】 分球
【病害虫】 オンシツコナジラミ、ハダニ
【育てやすさ】 普通
カラジウムの特徴
カラジウムは熱帯アメリカ原産の人気の観葉植物で、ハート形の葉に入る、美しい白や赤の縞目模様が特徴です。
カラジウムには多くの種類があり、種類によって葉の模様が異なります。
中でも、ビカラーを元にした園芸品種がたくさん出回っており、緑、赤、ピンク、白色の組み合わせで無数の葉模様があります。
また、ギアナ原産で大きな三角形の葉を持つションバーキーの交配種で総称「ホルツラヌム」と呼ばれる種類が人気あるようです。
その他、キャンディダムやホワイトバタフライなども人気です。
カラジウムは熱帯アメリカ原産の常緑性観葉植物ですが、日本では春植え球根として扱い、寒い時期は休眠させる管理の仕方も一般的なようです。
カラジウムの葉の美しさから、日本ではハニシキやニシキバなどと呼ぱれ、古くから観葉植物として鉢植えや庭植えとして親しまれてきました。
カラジウムは初夏に花を付けますが、葉の鑑賞が目的の場合には、葉のために早めに除去するようにします。
また、秋から冬にかけて気温が下がってくると葉が枯れてくるので、冬の間は球根の状態で休眠させるようにします。
鉢土を乾燥させて、暖かい室内で冬越しさせましょう。
カラジウムはミニ観葉にしても小さな葉をよく出すので、コンテナやテラリウムの素材としても利用価値が高いです。
小〜中鉢で育てることが多くなりますが、寄せ植え等で大鉢にする時は水はけをよくして過湿にならないように注意してください。
カラジウムには様々な種類がありますが、人気のものを下記に紹介します。
レッド・フラッシュ
鮮やかな緑の葉に濃い赤色のコントラストが映える種類です。
そこに入る白い斑がアクセントになります。
ピンク・ビューティー
葉のほとんどはピンク色で湿られますが、縁と斑に濃いグリーンが入り、そのバランスに人気があります。
キャンディダム
最も人気のあるカラジウムの品種の一つで、白とグリーンの成す鮮やかな葉のコントラストが特徴です。
日本でも古くから栽培されており、別名シラサギと呼ばれます。
クリムゾン・ウェーブ
大型品種のカラジウムで、古くから栽培されています。
濃いグリーンの葉に白と赤の斑点が人気の品種です。
ジョン・ピート
モダンな雰囲気を持つ中型品種。
鮮やかな緑と赤のコントラストが人気。
カラジウムの育て方
カラジウムは葉が大きいので、株の元気がなくなると、茎がしなり葉がたれてきていまいます。
これらの理由としては日照不足や水切れが考えられます。
このような場合には支柱を立てて葉を誘引し、徐々に日の当たる場所に移し日光に慣らします。
カラジウムの葉が枯れてしまった場合には、つけ根から切り落とします。
株全体に元気がないときはビニール袋などで包んで保湿します。
それでも株の状態がひどい場合には地上部を地ぎわで切り戻し、球根(イモの部分)を清潔な用土に植え替え、育て直してください。
日当たり:
カラジウムは日当りが大好きです。 耐陰性はありますが日陰や暗い室内で管理していると日光が不足し、特徴である葉の網目模様や斑点が薄くなってしまいます。
置き場:
カラジウムは前述の通り日当たりの悪い場所におくと、葉の模様が薄くなってしまったりしますので、
徒長させないように日当りで、しっかりした株を育ててください。
春〜秋にかけては太陽の日の当たる場所、真夏は明るい日陰に置きます。
気温が下がってくると葉が枯れてきますので、冬越し休眠中は、室内の暖かい場所に置くようにします。
できるだけ葉を多く残すため、早めに室内に取込み、枯葉を取り除きます。
休眠状態にするためには、鉢ごとビニール袋などに入れ、暖かい場所に置きます。
水やり:
カラジウムの水やりは春と秋は鉢土が乾いたら、たっぷりと与えます。
真夏の間は毎日与えるようにします。
秋になり気温が下がってくると、葉が枯れてきます。
これは休眠期のサインですので、鉢土を乾かし休眠させる必要があります。
休眠状態にするには完全に水をきります。
翌春、暖かくなってから水やりを再開するようにします。
肥料:
生長期は葉を充実させると同時に、地中のイモを肥大させる必要があるので、初夏〜秋の生育期には速効性の液肥を2週間〜1ヶ月ごと与えます。
植え替え方法と時期:
カラジウムの植え替えの時期は5月になります。
カラジウムの植え替えは春になるとイモが出回るので、その球根を植えます。
球根から芽が出ているものは、ちょうど芽が隠れる程度の深さに植えます。
冬越しさせた鉢も、イモを掘り出して新しい用土に植え替えます。
イモ(球根)が腐っている場合には、その腐った部分を切り取り、切り口にベンレートや灰を塗ります。
大きなイモは切り分けて植えます。
切り口にベンレートの粉末などを塗り、腐敗を予防します。
剪定やスタイリング:
カラジウムは葉の色にバリエーションが多くありますので、模様の違う品種を寄せ植えするのも人気です。
カラジウムは日照不足になると徒長し、葉が垂れたり枯れるので、支柱を立てて樹形を整え、徐々に日当たりに慣らすようにします。
また、秋になると葉が枯れ始め垂れて来ますので、やはり支柱で葉を支えるようにします。
葉が全体的に黄色くなってきたら、休眠の準備のために水やりを止めます。
病害虫:
カラジウムは春〜秋にかけてのオンシツコナジラミやハダニに注意します。
特にハダニは高温乾燥時期に発生しやすくなりますので、霧吹きなどで葉水を与え予防するようにしてください。
イモが腐ってしまう軟腐病の予防には、切り分ける際のナイフを消毒したり、切り口に腐敗防止剤を塗るなどが必要になります。
越冬:
カラジウムの冬越しは休眠状態で行う必要があります。
そのため、秋になり葉が枯れ始めたり、全体的に黄色くなってきたら、水やりをやめ、鉢土を乾燥させ、室内の暖かい場所に移します。
8℃以上ある場所で休眠させてください。
殖やし方:
カラジウムは切り分けで殖やすことが出来ます。
切り分けは5月頃が適期になります。
切り分けの際には、芽を確認して片寄らない位置で2分割し、切り目にはベンレートなどの腐敗防止剤を塗ってください。
イモの植付けは、芽を上にして、球根が隠れるくらいの深さに植えます。
その際には緩効性肥料を土に混ぜるとよいでしょう。