アイビーの概略
アイビー
ウコギ科 常緑匍匐性低木
【学名】 Hoedela
helix
【別名】 ヘデラ・ヘリックス、イングリッシュ・アイビー、オカメヅタ
【原産地】 北米、欧州、西アジア、北アフリカ
【花期】 −
【結実期】 −
【耐陰性】 あり
【耐寒性】 あり
【最低温度】 0℃
【乾燥】 普通
【肥料】 液肥、置き肥
【殖やし方】 挿し木
【病害虫】 カイガラムシ、ハダニ、スス病
【育てやすさ】 簡単
アイビーの特徴
ヘデラ・ヘリックスは日本ではアイビーと言う名前で親しまれ、日本の気候で育てやすいので人気のある観葉植物です。
アイビーは「つた」を意味する言葉ですが、日本でアイビーと言えば一般的にヘデラ属の観葉植物のことを指します。
アイビーは欧米からアジア、北アフリカにかけて分布し、常緑性の低木で、つる性の茎は樹幹や壁などに付着して匍匐し生長します。
アイビーは園芸種の改良なども進んでおり、非常にたくさんの葉模様や葉の形のバリエーションがありますので、葉の大きさや色、緑色の違い、斑の入り方などの違いなどから、好みや必要に合わせて選ぶことが出来ます。
アイビーは寄せ植えやハンギングバスケット、ミニ観葉、ヘゴ仕立てなどにして楽しむ事とが出来ます。
ミニ観葉にする場合には、小さい葉の種類のものを何種類か選び、葉色や斑の入り方の異なる鉢をいくつか並べると変化が楽しめます。
同様に、異なる種類のものを寄せ植えにするのもおすすめです。
コンテナガーデンから垂らしたり、鉢の縁どりなどにもおすすめです。
大きな鉢に仕立てる場合にはヘゴ柱を立ててそれに這わせることで存在感のある鉢に仕立てることが出来ます。
ハンギング仕立てにする場合には、吊り鉢からこんもりと垂らすようにするとボリューム感のあるハンギングにできます。
このように、アイビーは育て方が簡単な上に、さまざまな楽しみ方があるので、特に初心者におすすめの植物です。
アイビーにはさまざまな種類のモノがあるのは前述の通りですが、主な基本種はイングリッシュアイビーと呼ばれるセイヨウキヅタで、緑葉の種類になります。
これに葉に白い斑の入るグレーシャーや黄色のゴールデンハートなどさまざまな種類が園芸種が作り出されています。
イングリッシュ・アイビーは500種類ほどの品種が確認されています。
下記に代表的な園芸品種を紹介します。
ヘデラ・ヘリックス ナターシャ
イングリッシュ・アイビーのひとつで緑色の葉にが人気の種類です。
やや丸みを帯びた形の葉も特徴的です。
ヘデラ・ヘリックス モナリザ
イングリッシュ・アイビーのひとつで、白い斑が入るのが特徴です。
茎はつる性で葉は3〜5裂します。
ヘデラ・ヘリックス ゴールデン・チャイルド
イングリッシュ・アイピーの中でも特に人気のある品種で、黄色のかかった色の葉に、白やクリーム色の縁が特徴です。
ヘデラ・ヘリックス ジュビリー
イングリッシュ・アイビーのひとつ。
薄い緑色の葉に白い斑が縁にるのが特徴。
フイリオカメヅタ
カナリア諸島からマディラ諸島、アフリカにかけて分布する種類で、葉が大きいのが特徴で「オカメヅタ」とも呼ばれる。
カナリエンシス フイリ
カナリエンシスの斑入りの品種で、造園材料として人気がある。
グランドカバーなどとしてよく活用されている。
アイビーの育て方
日当たり:
アイビーは耐陰性が日の当たらない室内でも育てることが出来ます。
置き場:
耐陰性があるので、とくに置き場は選ぶ必要はありませんが、長い間、日の当たらない場所で育てると樹姿が間伸びして乱れたり、斑入りの品種の場合は斑が消えたり小さくなってしまいます。
そのため、できるだけ、真夏の直射日光は避け、その他のシーズンは日当たりのよい場所に置くようにした方がベターです。
水やり:
アイビーの水やりは春から秋の間は鉢土が乾いたらたっぷり与えます。
夏は育生も旺盛になるので毎日与えるようにしてください。
ヘゴ仕立てにしている場合にはヘゴの柱の上から水を与えるようにします。
冬は水やりを控え、乾かし気味に管理するようにしてください。
肥料:
アイビーは痩せ地でも育つのであまり施肥について気にする事はなく、2〜3ヶ月おきに緩効性の化成肥料を与える程度で十分です。
株の元気がなくなってきたようであれば、速効性の液肥を2週間置きに与え様子を見るようにしてください。
植え替え方法と時期:
生長し根詰まりし始めたら植え替えが必要です。
植え替えは育生期の春から秋の間に行うようにしてください。
根詰まりすると下葉が落ち始めますので、注意してください。
植え替えの場合には一回り大きな鉢に植えるようにしますが、大きさをキープしたい場合には、根を1/3ほどカットして同じ(大きさの)鉢に植えてください。
剪定やスタイリング:
アイビーは生長して伸びすぎると風通しが悪くなり、病害虫の元になってしまいます。
伸びすぎたアイビーのつるは、早めにカットして間引きし、樹姿を整えるようにします。
株元が枯れている場合には、枯れた茎や葉をを取り除き、その周辺に挿し木をしてその部分をカバーするようにします。
カットしたつるは水挿しにすることも出来ます。
1〜2週間ほどで根が生えてきますので、鉢上げして殖やすことも出来ます。
小さな株のものはハイドロカルチャーでも楽しむことができます。
病害虫:
アイビーで注意が必要な病害虫は春から秋にかけてのハダニやカイガラムシ、スス病の発生です。
発生を確認したら、すぐに薬剤散布により防除してください。
越冬:
耐寒性がありますので、霜や雪に注意すれば屋外でも越冬は可能です。
越冬に必要な最低気温の目安は0℃です。
グランドカバーや生け垣に地植えにしているものは霜や雪に注意しますが、鉢植えにしている場合には室内に取り込む方が無難です。
殖やし方:
アイビーは挿し木により殖やすことが出来ます。
挿し木は春〜初夏までと秋に行うようにします。
挿し木はつるを2〜3節ほどで切って挿し穂とします。
古くて固い部分は発根しにくいので、なるべくつるの先端側を使います。
また、斑を残したい場合には斑のきれいな部分を選ぶようにします。
切り取った挿し穂は、下葉を落として水はけのよい用土に斜めに挿し、2週間〜1ヶ月ほどで発根したら鉢上げします。
コップの水に挿しておいても発根します。