トラデスカンチアの概略
トラデスカンチア
ツユクサ科 常緑匍匐性低木
【学名】 Tradescantia
【別名】 トラデスカンティア、トラカン、シマムラサキツユクサ
【原産地】 南北アメリカ大陸、南アフリカ
【花期】 7〜9月
【結実期】 −
【耐陰性】 強い
【耐寒性】 強い
【最低温度】 0℃
【乾燥】 普通
【肥料】 置き肥・液肥
【殖やし方】 挿し木
【病害虫】 カイガラムシ
【育てやすさ】 簡単
トラデスカンチアの特徴
トラデスカンチアは南北アメリカ大陸や南アフリカなどの熱帯地方原産の人気の観葉植物で、約60種の園芸品種が確認されています。
トラデスカンチアは葉がゼブリナによく似た匍匐性の観葉植物ですが、立ち性や葉が多肉質のもの、葉に白い斑の入るもの、白い繊毛に覆われた品種などがあります。
また、セブリナと比べると葉色の品種が多い傾向があります。
トラデスカンチアはアルビフローラ 'アルボビッタータ'やフルミネンシス 'バリエガタ'などが人気でよく出回っていますが、その他、代表的な品種やその特徴を下記に紹介します。
フルミネンシス バリエガタ
フルミネンシス バリエガタは代表的アなトラデスカンチアの品種で、薄い緑色の葉に白い斑が入るのが特徴で、蔓性の茎をよく伸ばします。
南アフリカが原産です。
トフルミネンシス ラエケネンシス
淡い緑色の葉に乳白色や薄いピンク色の縦縞の斑が入る品種で、その美しい葉模様が人気の品種です。
シラモンタナ
他のトラデスカンチアの品種とは少し趣が異なり、株全体が白い綿毛に覆われており、葉や茎が多肉質であるのが特徴です。
トラデスカンチアの育て方
日当たり:
トラデスカンチアは耐陰性があるので暗い室内でも枯れることはありませんが、直射日光に当てて育てた方が、葉が厚く、丈夫な株に育ちます。
置き場:
トラデスカンチアは強い耐陰性や耐寒性があり、よく乾燥にも耐えるので、置き場所などはそれほど気にする必要はありませんが、健康な株に育てるためには、下記が基本的な管理場所です。
できるだけ直射日光が当る場所に置き、夏期には蒸れを防ぐために風通しのよい場所で管理する様にします。
冬は気温が下がり始めたら暖かい室内に取り込んで、明るい窓際などに置くようにします。
水やり:
トラデスカンチアの水やりは観葉によく耐えますので、鉢土が完全に乾いたらたっぷりと水を与えれば十分です。
特に多肉質のシラモンタナは乾燥気味に管理した方が、株全体を覆ううっすらとした白い毛がきれいに映えます。
冬場は越冬のために水やりを控え、乾かし気味に管理します。
肥料:
トラデスカンチアの施肥は育生期に春〜秋にかけて、緩効性の化成肥料を2〜3ヶ月おきに置き肥して与えます。
ただし、トラデスカンチアは生長が早いので、生長期に養分が不足し生長が鈍るようでしたら、薄めた液肥を1〜2週間おきに補います。
植え替え方法と時期:
トラデスカンチアは生長により根詰まりを起こし始めたらワンサイズ大きな鉢に植え替えをする必要があります。
植え替えの適期は5〜9月になります。
植え替えの際に大きく育てたくない場合には、根を1/3ほどカットし、同じ(大きさの)鉢に、清潔な観葉植物の専門用土などで植えます。
剪定やスタイリング:
トラデスカンチアは中鉢や吊り鉢に仕立てて、摘心や切り戻しによりわき芽をたくさんださせ、こんもりと仕上げると見栄えがします。
生長が早いので、枝が伸びすぎてしまったりして草姿が乱れやすいですが、伸びすぎてしまった茎は切り戻して、鉢に挿し木してあげるようにすると好みの株の大きさで整えると同時にこんもりと仕上がります。
病害虫:
トラデスカンチアの管理で注意が必要な病害虫は、春〜秋にかけてのカイガラムシの発生になります。
カイガラムシは葉のつけ根につきやすいので、注意して観察してください。
また、カイガラムシの発生を見つけた場合には、早急に歯ブラシなどでこすり落とすか薬剤散布で防除するようにしてください。
越冬:
トラデスカンチアは強い耐寒性がありますので、凍らない環境であれば屋外でも越冬させることができます。
冬越に必要な最低気温の目安は0℃以上になります。
また、気温が下がり始めたら水やりを控え、乾燥気味に管理する様にします。
水分が多すぎると寒さにより株元から黒く枯れてしまうことがあります。
殖やし方:
トラデスカンチアは挿し木により簡単に殖やすことができます。
挿し木の適期は育生期である4〜9月になります。
斑入り種を挿し木する場合は、葉にきれいな斑の入った葉の多く付いた茎を選んで挿し穂にするようにしてください。
斑の入っていない葉の挿し穂だと、先祖返りにより、新しく出てくる葉に斑が表れないことがあります。