ゴムノキの概略
ゴムの木
クワ科 常緑落葉樹
【学名】 Ficus elastica
【別名】 フィカス・エラスティカ、インドゴムノキ、デコラゴム
【原産地】 インド北部、マレー半島、熱帯アジア
【花期】 −
【結実期】 −
【耐陰性】 あり
【耐寒性】 あり
【最低温度】 3℃
【乾燥】 強い
【肥料】 置き肥
【殖やし方】 挿し木、取り木
【病害虫】 ハダニ、カイガラムシ
【育てやすさ】 簡単
ゴムノキの特徴
ゴムの木はインド北部からマレー半島の熱帯アジア原産で、かつては天然ゴム採取のために栽培されていたことからゴムノキという通称で広く親しまれています。
かつてはゴムの原料として樹幹から出る乳液を利用しましたが、現在では、別の良質のゴムを採取できる植物が発見されて、ゴムの採取の目的では利用されていません。
ゴムの木はいろんな環境になじみやすく、育てやすいので、インテリアグリーンとして人気があります。
ゴムの木は原産地では30mまで育ったものもあるのですが、観葉植物としては、10cmほどのミニ観葉植物から、人の背丈よりも大きく仕立てられた大鉢まで様々な種類があります。
また、株が古くなってくると幹が曲がったり、下葉が落ち始めたりして、個性的な樹形を楽しむことができます。
照り葉の美しさもゴムノキの楽しみの一つなので、葉を水ぶきすると見違えるように美しくなります。
葉は革質でつやがあり、新芽を包むホウは美しい紅色をしています。
ゴムノキの育て方
ゴムノキは暖かい生育時期に、新芽が大きく伸びます。
ゴムノキは乾燥には強いのですが、湿気を好む観葉植物で、成木は空気中の水分を集める気根を幹から出す程です。
乾燥した室内で育てる場合には、霧吹きでは水を与え、空気中の湿度を保つようにしてください。
乾燥が激しくなると葉が落ちてしまうこともあるので、葉水は忘れないようにしましょう。
ゴムノキは日当り不足になると、葉が柔らかくなってしまう事があります。
耐陰性のある観葉植物ですが、原産地が熱帯アジアであることからも分かるとおり、基本的には日当りや高温多湿を好む植物です。
日当たり:
ゴムノキは耐陰性がありますが、基本的には日当りを好みます。
夏場、直射日光に当ててあげることで丈夫な株に育てることができます。
日当りの悪い室内で管理すると、葉がやわらかくなり垂れたり、間延びした樹形になってしまいがちですので、適度に日当りの良い場所に移してあげるようにしてください。
ただし、斑人り種のゴムノキは強い直射日光に当たると葉やけを起こすことがあるので、遮光するようにします。
置き場:
ゴムノキは耐陰性があるので、室内でも生育可能ですが、最適なのは、やはり屋外の日当りの良いところになります。
ゴムノキは耐寒性もあり、かなりの塞さにも耐えることができますが、冬は室内にとり込んだほうがよいでしょう。
水やり:
ゴムノキは高温多湿を好むので、乾燥させないように管理します。
特に生育期には大きな葉がたくさん出て、鉢が乾きやすくなるので乾燥させないように注意してください。
春や秋は鉢土が乾き表面の土が白くなってきたら水を与えます。
夏場は毎日たっぶりと与えるようにし、冬場は乾燥気味に管理します。
空気が乾燥している場合は葉水も与えてください。
また、剪定などで葉を減らした際も、水やりは控えめにします。
肥料:
ゴムノキの施肥は春〜秋までは緩効性の置き肥を2ヶ月に1回を目安にします。
大株のものは生長期間中、緩効性化成肥料を月1回与えてください。
施肥は定期的に施した方が、葉の大きさに差が出なくなります。
植え替え方法と時期:
ゴムノキの植え替えは鉢に根がいっぱいになり、根詰まりしそうになったら一回り大きな鉢に植え替えるようにします。
ゴムノキの植付け用土は赤玉土に腐葉上を10〜20%混ぜ込みます。
水はけをよくするため、鉢底に大きめの赤玉土を敷くとよいでしょう。
剪定やスタイリング:
ゴムノキの幹から気根が空中に伸びる事がありますが、これは空気中の水分を吸収するために伸びるもので、機能的には必要なものになります。
ただ、見た目で気になったり、邪魔になるようなら切り落としてもかまいません。
病害虫:
ゴムノキにつく害虫としてはハダニやカイガラムシが一般的です。
葉を拭くときや葉水を与えながらチェックするようにしてください。
これらが発生しているのを見つけたら、薬剤で駆除するか、カイガラムシはこすり落とし、ハダニは葉水を兼ねて吹き飛ぱします。
越冬:
ゴムノキは耐寒性もあるため、霜や雪が当たらなければ屋外でも越冬が可能です。
しかし、0〜3℃以下になるようでしたら、室内に移して管理する方がよいでしょう。
殖やし方:
ゴムノキの殖やし方としては挿し木や取り木があります。
春〜夏にかけて行うようにします。
下葉が落ちたり幹が曲がってバランスが悪くなったら、生育期間中に取り木することで再生することができます。
ゴムノキは暖かくなり生長が始まると、脇芽が伸び始めます。
先端付近に葉が多くついている場合には、環状剥皮をして取り木すると、1ヶ月ほどで発根するので、切り離して鉢に植え付ければ、すぐ観賞用として楽しむことができます。
挿し木は1節あれぱできますので、数を殖やしたい場合にオススメです。
取り木の簡単な手順は下記の通りになります。
@高さを決める。
A環状剥皮:表皮を2センチ幅で剥ぎます。取り木後の姿を想定し、位置を決め、環状に表反を剥ぎます。
固い芯の部分までしっかり木皮を剥いでください。
舌状剥皮:根を生やしたい位置の木部に5cm程の切込みを斜めに入れ、吸水した水苔を挟みます。
B剥皮部に吸水させた水苔をテニスボール程の大きさで包みます。
C乾燥を防ぐため水苔をビ二−ルで包み、上は軽く、下は強く結びます。
水切れしないように上から水を与えながら、1ヶ月ほど置きます。
D1ヶ月ほどして発根を確認することができたら、親株から切り離し、 水苔を巻いたまま、専門用土に植付けてください。
この際、水苔を少しほぐすのがコツです。