エルダーフラワーの特徴とハーブティー
エルダーは、古くからさまざまな薬効があるとされ、広く民間療法に活用されてきました。
飲用、外用の両方に使われる万能薬で、その歴史はエジプト文明の頃にまでさかのぼるといわれます。
病気や悪霊を寄せ付けない、厄除けの効果があるとも考えられていました。
デンマークでは妖精の母フルダがエルダーの根に住むとされ、「身にかかる危険なしに、この木を破壊できるものは誰一人いない」と言われたほどで、もし禁断の木が建物を建てるのに使用されるならば、その住人はすぐにモノノケの手が脚をひっぱると伝えられていました。
また、魔除けの効果があると信じられていたため、この枝で十字架を作り墓の上に植え、やがて根づき花をひらき葉をつければ、埋葬された人は至上の幸福を享受していると言い伝えられました。
エルダーの木は、大きなものは稀に10m近くまで成長します。
5〜6月頃に枝からあふれるように咲く花は、クリーム色がかった白い花が特徴的です。
さわやかな甘い香りは、マスカットに似ています。
香りは飛びやすいので、できるだけ新鮮なうちに使い切るようにします。
種には毒があるので、生では食べないように注意してください。
ドライハーブであれば、種でも安全です。
エルダーフラワーの効果と薬効
根から実まですべてに薬効がありますが、リノール酸やフラボノイドが豊富な花を使ったハーブティーは手軽に楽しめて優れた薬効があります。
もっとも知られているのが、風邪やインフルエンザの諸症状を緩和する効果です。
甘い香りのエルダーフラワーのお茶は、のどの痛みを和らげ、発汗作用を促します。
目の充血やアレルギーなど、花粉症の症状も緩和してくれます。
また、濃く入れたエルダーフラワーのお茶を、うがい薬として使うのも効果的です。
また活性酸素除去の働きがあり、若返りのハーブとしても用いられます。
シングルで飲んでも優しい味わいが楽しめますが、ブレンドティーにするのもおすすめのハーブです。
他のハーブと組み合わせてもよいし、好みの紅茶に少し加えるだけで気軽に違った風味を楽しむことができます。
レモンやハチミツを加えたりするのもおすすめです。
エルダーフラワーに砂糖を加えて作るコーディアル(砂糖水)は、ヨーロッパでは子供向けの風邪予防薬として広く浸透しています。
外用薬としてのエルダーフラワーは炎症を抑える効果があり、抽出液で作った湿布はしもやけや皮膚炎にも効き目があります。
化粧水として使えば、ニキビや吹き出物を改善する効果があります。
エルダーフラワーのハーブティーの入れ方と飲み方
エルダーフラワーのハーブティーの飲み方は、約1杯分のティーポットにティースプーン1杯のエルダーフラワーを入れ、熱湯約180〜200ccを注ぎ、蓋をして3分ほど浸出します。
味よりも薬効効果を期待されるのであれば、長めに抽出します。
初めて飲む場合は少し薄めに入れるとよいでしょう。
シングルでも楽しめますが、ブレンドも楽しめます。
ハチミツやレモンとも好相性です。