庭木と花木の病害虫
【庭木の見管理と保護】
日本の気候は海洋性気候のため、夏は高温多湿、冬は低温乾燥となる気候条件を持っています。
特に、高温多湿の夏は、病気や害虫の最も多発しやすい条件を備えた時期といえますから、行き届いた保護が必要になります。
【病害虫を防ぐコツ】
木をよく知る
庭木や花木には、病気や害虫に侵されやすい種類があります。
たとえばウメ、カエデ、カイドウ、ボケ、イヌマキなどは、特にアブラムシが寄生しやすい樹種で、このような傾向を知っていれば、早めにアブラムシの防除をして被害を未然に防ぐことができます。
環境を選ぶ
病害は環境条件の悪い場所に多く発生しますから、適地適作を守ることが肝心です。
素早い処置
常に枝葉をよく観察していて、変調をきたしたらすぐ、それに合った薬剤をまくようにします。
また、害虫の姿を発見したら、手で取れるものはその場で補殺し、数の多いものは早期に殺虫剤をまきます。
ただし、薬剤をまいたからといって、すぐに病気が治るわけではありません。
薬剤をまくことによって、他の健康な葉や枝に伝染するのを防ぐ役目を果たすわけです。
【病害虫の発生と薬剤散布】
原因を見極める
樹木の枝や葉に異常を発見したら、まずよく観察して、それが病害なのか、虫害なのか、それとも別の原因によるものなのかを確かめます。
それによって、最も効果的な手段や方法を講じます。
薬は薄めたものをたっぷりかける
水和剤や乳剤を薄める倍率は、高い方で行うのが無難です。
そのかわり、量はたっぷりかけます。
かけもれがないように、葉の表裏は勿論、枝や幹にもまんべんなくかけます。
ただし、害虫が大きくなっている場合は、表示倍数の低い方、すなわち、濃いめの濃度でかけます。
薬をまく日の天候
雨上がり後で、風のない時、また曇天の日の午前10時ごろが最適です。
夏の暑い日中は避けます。
【病害虫の防除薬剤】
病害
病害を防ぐには殺菌剤を用います。
ポリオキシン、ストレプトマイシン、銅水銀剤などが代表的です。
また、葉が風や害虫などで傷ついたりすると、そこから病気が侵入して菌糸を発育させます。
こういう場合は、予防剤として、銅水銀剤、ジュネブ剤、マンネブ剤などが効果的です。
虫害
害虫を防除する殺虫剤には、若葉を食べさせて殺すBT剤、虫の体に薬剤をかける接触剤、虫が茎葉から汁液を吸うと効果がある浸透性殺虫剤などがあります。
薬剤の形状
水和剤、乳剤、水溶剤、粉剤、粒剤、油剤などの種類があります。
薬によって効き目も違いますし、樹木によっては薬害の発生するものもあるので、薬剤を決める時は、説明書をよく読むようにします。
【庭木・花木によく出る病害虫】
病害虫は、各樹木に共通に発生するものと、その樹種にしか発生しないものがあります。
特に前者は、ごくふつうにみられるものが多く、しかも被害が大きくなるので、防除を徹底するようにします。