リンゴの概略
リンゴ 林檎
バラ科リンゴ属 落葉広葉樹 高木 陽樹
【購入時の目安サイズ】 1.5m
【購入時の目安価格】 苗木@2,000円
【将来的なサイズ】 幅:7〜8m、 高さ:5〜6m
【花期】 4〜5月
【開花日数】 10日
【果実期】 8〜10月
【原産地】 中央アジア
【適地】 九州〜北海道南部
【土壌条件】 特に選ばない
リンゴの特徴
リンゴは4〜5月に白一色の花が枝一面に咲き、夏の終わりから晩秋まで、大きく色彩豊かな果実をたわわにつけます。
白く咲きそろったリンゴの花は美しく、庭木としても楽しむことができます。
アダムとイブの物語で知られるように、4000年以上も前から栽培され食用にされてきた歴史があります。
リンゴが日本に伝わったのは明治以降で、冷涼な地方で栽培され、主産地の青森ではリンゴの花が県花になっています。
リンゴは栄養分を多く含み、消化を助け、下痢止めに効くといわれ、病人にはそのしぼり汁を飲ませるなど、昔から滋養のある果実として知られています。
日本では生食が主ですが、欧州ではリンゴ酒を始め加工することが多く、ジュース、ゼリー、ジャム、シロップ漬け、焼きりんご、リンゴ酢、アップルパイなど幅広い用途に用いられます。
作業・お手入れアドバイス
植える時期:
リンゴの植え付けや植え替えは、11〜12月が適期になります。
植える場所:リンゴは冷涼な気候を好みます。
夏に乾燥して、昼と夜の温度差の大きい、(昼間暑く、夜間涼しい)地方に適します。
そして、夏の高温多湿、冬の高温、春の晩霜や雨の多い暖地を嫌います。
早生種なら暖かい地方でも栽培できますが、寒い地方の果実の方が果肉もしまり貯蔵もできます。
摘果:
リンゴは結実し過ぎると、果実が大きくならず、翌年の花芽もつきにくくなるので、満開後1カ月以内に必ず行うようにします。
(早い方がよく結実します。)
リンゴの適果の方法は、まず側芽についた花(短果枝でない昨年枝に開花)や貧弱な花叢の花を摘みます。
次に、結実が確実になったら、一花叢の中心花を残して摘みます。
残す目安は小玉の国光や紅玉で、葉30〜40枚に1果、大果のデリシャス系で、50〜60枚に1果、短果枝で3〜5芽に1果の割合で結実させます。
袋かけ:
リンゴの袋かけは病害虫予防のほか、色づきをよくするために行います。
病害虫は薬剤で防げるので、祝、紅玉、スターキングなどは袋かけをしませんが、農薬を用いたくない場合は、袋かけをするようにします。
袋は紅玉、祝、国光などで新聞紙10枚切り、デリシャス系、インドなどの大玉で8枚切りぐらいです。
ただし、デリシャス系のように見た目を重んじる品種は、さび病予防にまず小袋を、次いで大袋をかけます。
袋とり:収穫前に袋をとって、日光に当てるようにします。
これは美しい紅色を出すためで、淡い色を出すには短期間あて、濃くするには長期間当てるようにします。
袋の取り方は、初めに糊付け部分を破って数日おき、次に半分ぐらい破り、最後に全部取り除くときれいに色づきます。
剪定やお手入れ:リンゴの整枝では、変形主幹形に仕立てます。
主枝は3〜4本とし、まず主枝候補枝を選び、6〜7年かけて決め、10年ぐらいで仕上げます。
リンゴは成木になって結実すると、主枝が開いて枝全体が下がってくるので、幹と主枝の角度を十分にとるようにします。
45〜50°が目安になります。
リンゴの剪定は、短果枝を中心に、充実した枝を残すので、徒長枝、込み枝、垂れ下がった枝は元から切るようにします。
リンゴの系統と主な品種
祝(イワイ):
青リンゴとして出荷される品種で、甘味も酸味も程よくあります。
暖地性なので開花木が早く、受粉樹に向きます。
熟期は8月〜9月です。
国光(コッコウ):
国光は樹勢が強く半開帳性で、育てやすいのが特徴です。
美しい鮮紅色の縞があり、肉質が堅く、味は淡白です。
国光の熟期は10〜11月で、かつては日本のリンゴ栽培の中心品種でした。
旭(アサヒ):
旭は180gぐらいの中果で、香りがよく、甘みが強く、酸味がやや強いのが特徴です。
旭の熟期は8〜9月です。
スターキング・デリシャス:
スターキング・デリシャスは香りがよく、酸味が少なくて、甘みが強いのが特徴です。
スターキング・デリシャスの熟期は10月です。
ゴールデン・デリシャス:
ゴールデン・デリシャスの果実は大きく、220gほどもあります。
黄色系で肉質、味覚、香りともによいのが特徴です。
結実期に入るのは早いですが、果肉がしまりにくく、さび病が出やすく、薬害に弱いので袋かけが必要です。
ゴールデン・デリシャスの熟期は10月です。
紅玉(コウギョク):紅玉は樹勢が強く、結実も多いのが特徴です。
果肉はしまり、甘みと酸味が程よく、香りもよいが病害に弱く、さび病が出やすいです。
紅玉の熟期は10〜11月です。
王鈴(オウレイ):
王鈴は黄色系で、味はゴールデン・デリシャスに似ています。
結実が多く、袋かけは不要です。
王鈴の熟期は10〜11月です。
矮性樹(ワイセイジュ):
普通のリンゴは樹高5〜6m、枝張り7〜8mになるが、矮性台木に接ぎ木したアルプス乙女などの矮性樹は、樹高2〜3m、枝張り2〜3mで立派に果実をつけるので、狭い庭でも栽培ができます。
普通の品種が結実するまでに5〜6年かかるのに対し、矮性樹は3〜4年で結実するため、家庭栽培に最適です。