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自然と暮らすは生活を豊かにする庭木や観葉植物、ハーブなどを紹介しています。



カンキツ類の概略

カンキツ類 柑橘類

ミカン科ミカン属 常緑広葉樹 低木〜小高木


【別名】 ミカン類

【購入時の目安サイズ】 1.0m

【購入時の目安価格】 苗木@1,000円、成木@4,000円

【将来的なサイズ】 幅:4〜5m、 高さ:3〜4m

【花期】 5月 

【開花日数】 10日

【果実期】 9〜3月(樹種により異なる) 

【原産地】 日本、中国、東南アジア、インド北東部

【適地】 沖縄〜東北

【土壌条件】 特に選ばない


カンキツ類の特徴

柑橘系の樹木は温暖地帯では木の生育が抑えられるため、庭木に適した小型の樹形に作りやすくなります。

葉の緑に映えるカンキツ類の黄色の実は、観賞用としても適しています。

また、カンキツ類の黄色く熟した実は、太陽の象徴とされ、古くから神聖な樹とされてきました。


鉢植えで育てると水分や肥料調整がしやすく、糖度が高くておいしい実をつけることができます。

ベランダなどで鉢植え栽培をするには、温州ミカンやキンカンなどが向いています。

樹高をあまり高くしないように、鉢の3倍くらいに抑えるようにします。

水分や肥料やりが自由に調整できる鉢植え栽培は、比較的失敗せずに完熟果実を味わうことができます。


カンキツ類は植えて3年ほどの若木でも、実をつけるのも特徴のひとつです。

樹種は温州みかん、オレンジ類、ユズ類、キンカン、シークワーサーなどたくさんあります。

カンキツ類の実は健康増進効果があり、生食やジュース、果実酒、ジャム、料理の香り付けなどに幅広く利用されます。


カンキツ類は樹種によって耐寒性が異なるので、冬の寒さを基準に樹種を選ぶようにします。

また、育てる地域や種類によって、作業の時期や方法はかなり異なります。




作業・お手入れアドバイス


植える時期:
カンキツ類の植え付けや植え替えは、3月中旬〜4月上旬が適期になります。


植える場所:
カンキツ類は日当たりや水はけがよく、寒風が当たらない場所なら特に場所は選びません。


剪定やお手入れ:
カンキツ類は幼木時代には、施肥や整枝をして樹形を作るようにします。
空間が狭ければ主幹仕立て、余裕があれば円形仕立てにします。

成木になった肥料や剪定はやりすぎず、3月に枯れ枝や徒長枝、込み枝などを切り除く程度にとどめます。

カンキツ類の新梢は、春、夏、秋の3回出ますが、春枝以外は不要なので剪定します。

実はやや多めにつけるようにし、生長に合わせて摘果するようにします。
果実をたくさんつけすぎると、隔年結果したり、品質が落ちるので、必ず摘果作業を行ってください。


カンキツ類の歴史と種類


日本の果実店の店先には、年間を通して様々なフルーツが並びますが、中でもミカンをはじめとするカンキツ類の仲間は、海外からの輸入品を含めて実に多彩です。

カンキツ類とは生物学上ミカン科に属するカンキツ属、キンカン属、カラタチ属に分類されるもののすべてをいいます。


カンキツ類はインドから中国南部にいたる地域で数千万年目から既にあったといわれ、そこからヨーロッパ地中海沿岸地域へ渡り、さらに南北アメリカの各地へも伝わったといわれています。
そして、長い年月の間にそれぞれの土地に、特有のカンキツ類の品種ができていったようです。

日本が原産地のカンキツ類は、「左近の桜、右近の橘」として有名なタチバナだけで、今日の温州ミカンなどの他の品種はすべて海外からの輸入品種です。


キシュウミカン(紀州ミカン):
日本にミカンの栽培品種としてまず土着したのは、約700年前の鎌倉時代に移入されたもので、最初は熊本県の八代付近でその栽培が始まったようです。

そして、天正2年(1574年)に、和歌山県有田の伊藤孫右衛門が熊本からこのナ役を持ち帰って、苦労の末、キシュウミカンを育て上げました。

やがて、この品種が同地方を中心に広く栽培されるようになり、一般の人々の口にも入るようになります。
特に、江戸時代から明治時代前半は、このみかんが紀州の特産品として名を上げ、紀伊国屋文左衛門のように、キシュウミカンを江戸に船で運んで財をなす商人も出てきます。

キシュウミカンは「小ミカン」とも呼ばれ、やあ酸味があるのと種の多いことが特徴です。


ウンシュウミカン(温州ミカン):
このみかんは「温州」という名前を持つため、中国浙江省の温州が原産地と考えられがちですが、田中長三郎博士の調査から、鹿児島県東長島村周辺が原産地だと報告されています。

しかし、原種となったミカンは、やはり中国浙江省付近のもので、室町時代から江戸時代初期にかけて、温州近くの天台山に修行に行った留学僧がミカンを持ち帰り、その種から偶然実生したものであるだろうと考えられています。

その種が鹿児島付近で育って、今日の温州ミカンの元となっています。

現在、国内のカンキツ類生産の約80%を占めるほどになっていますが、このみかんが愛用され始めたのは明治後半から大正初期以降のことです。


温州ミカンは紀州ミカンに比べて甘味もあり、種がなくて食べやすい品種であるのに国内で早くから普及しなかったのは、強力な家族制度のあった江戸時代に、このミカンが「種なし」であったことから、家族が絶えることにつながるとして嫌われ、種のある紀州ミカンの方が愛用されたため、と考えられています。


ナツミカン(夏ミカン):
安永元年(1772年)、山口県の青海島の海岸で、島の女性が珍しい果実が漂着しているのを発見、その種をまいて育てた木が日本の夏ミカンの原木とされています。

夏ミカンは酸っぱいので、最初は食べる人もあまりいませんでしたが、萩の武士が長州藩の藩主に献上して好評を得たことから、山口県内を中心に栽培が盛んになり、明治以降、脚気に効く果実として西日本一帯に栽培が広がりました。

夏ミカンの仲間としては、日向夏ミカン、伊予柑、鳴門ミカン、ハッサク、サンポウカンなどがあり、これらは家庭菜園もできます。


オレンジ類:
オレンジ類はヨーロッパ系カンキツ類の代表というべきもので、特にバレンシアオレンジ(原産地ポルトガル)や、ワシントンネーブル(原産地ブラジル)などが有名です。
国産品種としてはフクハラオレンジがありますが、家庭での栽培は難しい品種です。


ブンタン:
ザボン、ボンタン、ウチムラサキなどの別名もあり、日本では江戸時代初期から九州を中心に栽培されています。

実も花もカンキツ類の中では最大ですが、風当たりに弱い性質です。
そこで、栽培には風の強くない場所で、年平均気温が16℃以上という条件が必要です。


ユズ:
ユズは中国が原産地で、大和時代のころには、早くも日本には伝えられていました。

ユズは寒さや病害虫にも強いので、東北地方でも家庭栽培ができます。
しかし、結実するのに5〜6年はかかります。

ダイダイ、カボス、スダチなどもこの仲間です。


キンカン:
キンカンの原産地は中国です。

キンカンの皮は甘みがあってビタミンも豊富なので食べられますが、実は酸っぱすぎて食べられませんので、鑑賞用の盆栽に仕立てて楽しみます。

花木一覧

「あ行」
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「や行」
ヤツデ / ヤマブキ / ヤマボウシ / ヤマモモ / ユキヤナギ / ユスラウメ / ヨーロッパゴールド
「ら行」
ライラック / ラズベリー / リシマキア ヌンムラリア オーレア / リンゴ (林檎) / ルドベキア / レンギョウ / ロウバイ / ローズマリー