さし木の方法
挿し木は親木と同質のものが作れ、作業が比較的簡単で、成功率も高い方法です。
また、多量生産もできます。
ただし、管理に手間がかかるのが難点です。
さし木には、さす部分によって葉ざし、枝ざし、根ざしなどがありますが、枝ざしが最も一般的な方法です。
<さし穂の採取と時期>
樹勢の充実した若い枝を選び、先の未熟部分と元の発育のよくない部分を除いた真ん中の部分を用います。
露地ざしの穂は12pぐらい、箱や鉢ざしは8pぐらいの長さが適当です。
採取時期は、さす時期によて異なります。
@春ざし
まだ芽の動かない2月上旬。
A夏・秋ざし
挿す直前に採取し、水に30〜60分浸してからさします。
<さす時期>
挿し穂の生育の度合いによって3期に分けます。
@春ざし (3月中旬〜4月上旬)
前年生の枝をさします。
A夏ざし (5月下旬〜6月)
新梢が充実し、固まった芽を指します。
B秋ざし (9月)
完全に充実した新梢をさします。
この時期は、気温や地温が適当なので、よく根付きます。
<水やり>
箱や鉢ざしは、雨の日以外、毎日、水やりします。
また、さし木後2週間ぐらいは60%の日陰に置き、発根したら日向に出します。
露地ざしは、さし木後1週間は雨の日以外は毎日、あとは乾燥したら水やりをします。
さし木直後は日覆いをします。
<肥料>
挿し穂が発根し、発育してきたら、100倍ぐらいに薄めた液肥を与えます。
箱や鉢ざしは、移植までの間、月2回の割合、露地ざしは同様につき2〜3回与え、その後は油粕や魚粉を、そのまま置き肥えとしてもかまいません。
<移植>
箱や鉢ざしして込み合ってきたものは、他の容器に植え広げます。
翌年、十分生育したら露地に植えます。
<冬越し>
10月下旬になって気温が下がってきたら、鉢や箱を寒風の当らない陽だまりに置くか、ビニールハウスに取り込みます。
露地ざしは、根元に厚くマルチングした上に、ビニールトンネルを作り、その上に薄い「こも」をかけて冬越しさせます。