道尾秀介氏の
ソロモンの犬を読みました。
最近めっきり嵌っている道尾秀介作品です。
今まで何作か読みましたが外れがなかったので、結構期待して読みました。
今のとろこ手元にある道尾作品はこれで最後になります。
感想ですが、ちょっと期待していた中身とは違ったかなって感じです。
ミステリーでの大どんでん返しとか、う〜んとうなるような仕掛けはなく、何となく、普通の感じのミステリーというか、道尾作品に求めているものがなかったというか...
さてさて、内容ですが、主人公の秋内が大雨に降られ、雨宿りのために初めての喫茶店に入るところから物語が始まります。その喫茶店に大学での友人の京也、ひろ子、智佳が偶然にやってきて、同じテーブルにつきます。
なにやらみんなの感じがおかしいので、何かあったのだなと予想することが出来ます。
そして、秋内から、「この中の誰が殺人者なのか話し合おう」との衝撃的な言葉で、物語が展開していきます。
大雨と喫茶店の醸し出す何ともしんみりとした雰囲気と衝撃的な台詞のコントラスト、そして提示された大きな謎と、一気に物語に引き込まれました。すばらしい出だしでした。
物語が進むにつれて、冒頭の4人の関係や事件の全貌が分かってくるのですが、そのプロットもまたすばらしく、ぐいぐいと物語の中に引き込まれていきました。
最大の功績は最初のシーンだと思います。あの始まり方があったからこそだなと。
ですが、最後、冒頭のシーンに戻って謎が解けて...ってところがなんかイマイチなんですよね...
このシーンでぶち上げられた仲間の内の誰かが犯人って言うような展開でもなくなっているし。
まあ、面白かったけど、全体のまとまりというかデキとしてはもう一歩足りないかなって感じました。
今のところ道尾作品のランキングは
1.
向日葵の咲かない夏
2.
シャドウ
3.
骸の爪
4.
片眼の猿
5.
ラットマン
6.
ソロモンの犬
ってところですかね。
こう見てみると、干支シリーズと呼ばれる作品が下の方に来てますね...
道尾秀介ランキングを作りましたので、こちらにまとめていこうと思います。
2013/04/13
採点:★★★☆☆
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