道尾秀介の骸の爪を読みました。
道尾作品は何作か読んでかなり楽しめたので、読んでみることに。
他にもいっぱいあるみたいですから、楽しみです。
探偵シリーズらしいですが、友人が面白かったといっていたので読んでみようと。
結構なボリュームがあります。
感想ですが、とても読み応えがあり楽しめました。
少し、無理があるかな〜ってところとか、物足りない部分もあるのですが、全体的に読み応えがあり、ストーリや謎、その解明と楽しむことが出来ました。
物足りない部分としては、最初の方で手の長い人(松月)と出てくるのですが、そのときの描写が、「なんか、具体的に特徴がある気がするけど、それが何か分からなかった。」みたいな感じで最初書かれています。
その後、誰かに手が長いって教えてもらうのですが、その最初に気になった時とかに、具体的に手が長いことによって起こる出来事なんかがあって、でもその時にはしれーっと過ぎていって、後になって手が長いことが分かったときに、"あ”〜、だから
あの時そうなったんだ〜"みたいなのがあると読み物としてもっと楽しめるかと。
会話やセリフではそういうのが結構出てきて面白いのですが、それ以外のシーンの中や行動などにそういったものが楽しめるといいのにと思ってしまいました。
贅沢な要求かもしれませんが... 物語自体の本質とは関係ありませんし。
主人公の探偵、真備庄介の友人としてホラー?小説家の「道尾秀介」が出てくるのですが、特に本人を意識しているわけでなく、シリーズの最初の作品の「背の眼」を執筆するにあたり、同年代の小説家を登場人物として物語りに出すことにして、名前を考えるのが面倒で同じ世代だから自分の名前にしたようなことがwikipediaあたりに書いてあった気がします。
どうなんですかね?深い意図は無いみたいですが、ちょっとホラー現象の真相とかが現実的にどうかな?って思うところもあるので、現実味を持たせる効果もあるのかもしれません。
以下、ネタバレの部分もありますので未読の方はご注意を。
それにしても、終わり方が切なくて、スッキリはしないですけど、なんともいえない心地よい余韻が残りました。
みんな勘違いをしていて、ストーリーの中で複雑に絡み合って不幸な事件の原因ともなっていて、それが丁度良いタイミングで解きほぐされていく展開が気持ちよかったです。
中でも唐間木老人が野方摩耶が韮澤隆三と皆神茉莉の娘であることを知らずに、もっと言えば、今回の事件の犯人であることを知らずに、偶然にも過去の韮澤隆三の失踪事件の犯人が岡嶋聡一・魏沢良治・鳥居伸太らであることを知ってしまい、懲らしめるつもりで行った悪戯というか、警告が逆に摩耶を今回の事件に奔らせるきっかけとなってしまったことを知るなんて展開は秀逸かと。
それにしても、毎度のことながら序盤から散りばめた謎や複線を、最後にはスッキリとさせてくれるストーリー作りというのか構成力というかには、ホント楽しませてもらいました。
これが道尾作品の最大の魅力ですかね?
今のところ道尾作品のランキングは
1.
向日葵の咲かない夏
2.
シャドウ
3.
骸の爪
4.
ラットマン
ってところですかね。
もっと読んだら道尾秀介ランキングにでもまとめようと思います。
2013/02/12
採点:★★★★☆
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