伊坂幸太郎の
マリアビートルを読みました。
グラスホッパーの続編だそうです。そんな予備知識も無く読みましたが。
最近、本を読む際には評判は参考にしますが、その中身は知らないようにして、余計な予備知識を付けずに読むようにしています。
最初に知ってしまうと、驚きや感動が減ってしまいますから...そして、時として、それが一番の見せ場というか醍醐味だったりする場合もあるので。
前回読んだ伊坂作品の
オー!ファーザーも読む前に映画化されたために、主人公に4人だったか5人の父親がいることを事前にTV番組(映画の宣伝)で知ってしまうことになりました。
ちょうど読もうと思っていた寸前で、(ようやく文庫化されたので)、でも超非常識設定の父親が4〜5人っていうそこを事前に知ってしまったことが許せないのです。
知らずに読んでいて、???、お〜!、アイヤー!!!そうくるとはみたいな感動を味わいたかったのですが...
読んでいると何か他の作品で聞いたことのある登場人物、押し屋や鈴木、スズメバチなどが出てくるので、なんかの作品と関係ありそうだな?と思って読みました。
グラスホッパーの続編だとの事ですが、グラスホッパーでの登場人物は覚えていましたが、内容はほとんど覚えていなかったので、もう一度、暇があれば読んで見ようと思います。
鈴木なんかは正直、グラスホッパーではあまり覚えておらず、 ゴールデンスランバーの主人公が整形して逃亡した後かと思いました。ずいぶん達観しているような佇まいだったので。けっこう立ったキャラクターの鈴木を覚えていないほどなので、グラスホッパーはまた読んだ方が良さそうな気がします。
今回の物語ですが、東北新幹線の中での事件というか事故というか、犯罪の連続に息をつく暇がありません。
誰が主人公かも分からないまま、蜜柑と檸檬、王子と木村、七尾などの話がどんどん並行して進んで行き、それが交わったり、また離れたりと何とも複雑で読み応えのあるストーリーでした。
登場人物のキャラクターはみんなとても濃く、魅力的です。
王子だけは好きになれませんが...
最後、どうなったのか描かれていませんが、苦しんで、後悔して、懺悔させてやりたいところです。
ただ、王子の言っている人の操り方というか、君臨の仕方は参考になると言うか、一理あるような気がします。責任を取りたくないために人に判断を任せてしまっている人たちをどうやって使っていくかという...怖いようであり、知っておく必要がある気もします。
最近、どうやって人を動かしたり、使っていくのかと言うことをずいぶん考えたりもしますので...相手は日本人だけではないんですけど。
と、まあ、伊坂作品には人生の中での示唆を受けることがあり、どうしても運命を感じてしまいます。
物語自体には引き込まれ、そのスピーティーで面白い展開にあっという間に読んでしまいました。アメリカ出張中からの帰国便の飛行機で読み始め、乗り換えの空港、電車と、帰国前には読み切ってしまいました。
ただ、以前の伊坂作品にあったような伏線や会話などを後になって拾っていくような展開というか、つながりがなく、ある意味、それを楽しみに読んでいるところもあるので、ちょっと残念です。
最近の作品ではそういった趣向が少ない気がします。面倒くさいのか飽きちゃったのか、重要じゃないからなのか...
それが好きな私としてはちょっと残念なんですけど。
2014/08/12
採点:★★★★☆
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