宮部みゆきの
名もなき毒を読みました。
2006年の吉川英治文学賞受賞作品であり、
2007年の本屋大賞10位の作品です。
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久しぶりの宮部作品ですが、読み始めてデジャブ観に襲われました。
それもそのはずで、以前読んだ
誰かと探偵役の主人公が同じでした。
彼の特異な環境の説明が一通り繰り返されているので、
どこかで読んだことがある気がしてしまったようです。
物語は一人の老人が犬の散歩中に倒れ、死亡するところから始まるのですが、
これがどうも単独の事件ではなく、無差別な連続殺人事件のようで...
いつもながら最初の事件の起きるプロットというか、
話の展開のされ方がすばらしく、一気に物語に引き込まれてしまいます。
今回の物語はトリックやアリバイ、犯人捜しと言うよりも、
動機に焦点が当てられた物語になっています。
しかも、それが過去の因縁とかそういうものではなくて、
何か人間の持っている負の感情というか、"毒”がそうさせるのだと。
メインの殺人事件以外にも、主人公の働く社内出版部署で雇った
アルバイトの女性の抱える闇と吐き出す”毒”も描かれています。
私はここまでひどい人間に出会ったことはありませんが、
この子の持つ感情の葛藤というか何というかは、何となく分かる気もします。
頑張れば頑張るほど、目標の姿との差に焦燥感を覚え、
自分自身だけでなく、他人に対しても怒りというか不満を感じてしまうと。
それが、いい加減な人間だからという事ではなくて、
根本的にはまじめな人間だからこそ、かわいそうというか切ないのです。
派手な物語ではありませんでしたが、ずし〜んとくるお話でした。
採点:★★★★☆
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