乙一の
Zoo 1を読みました。
以前、乙一氏のGOTHを何かの縁で読んだことがあり、思いの外、面白かったので、機会があればまた氏の作品を読んでみたいと思っていました。
あと、会社の同僚が乙一氏と同級生と言うことが判明しました。氏の作品は読んだことが無いみたいなのですが、小説家がいると言うことは有名なのだとか。
うらやましい限りです。
相変わらず、短編を書くのが上手いなぁと感じました。
短いお話の中で、驚かされたり、ワクワクしたり、ドキドキしたりと、楽しませてくれます。
収録されている5作品ともに主人公が一人称で物語を淡々と語ることによりストーリーが進んで行きます。
どの作品も十分に楽しむ事が出来ましたが、特に、seven roomsとZooが印象に残りました。
seven roomsの何とも言えない終わり方が切なく、なんか、すっきりしないどよ〜んとした気持ちが残りました。
それでいてかすかに救いがあるのですが...
絶妙の余韻でした。
Zooは恋人を殺した犯人が主人公でした。
自首しないでいたら、行方不明として処理されたことで捕まらずに今まで過ごしています。
ただ、罪悪感からいつか自首しなければならないと考えているのですが、行動が起こせない。
ごまかすために、他の犯人がいるということにして、殺された恋人の写真が送られてくる...
仕事も辞め、全てを擲って真犯人を探す悲劇の主人公を演じる。
その過程の心理描写というか、本人が語る気持ちや考え方がとてもリアルな感じがしました。
あと、最後の文庫版のおまけで漫画家の古屋兎丸氏との対談が収録されていますが、これも興味深かったです。ここで言われているのは乙一氏はマンガの影響を多く受けていると言われているけれど、ホントは伊集院光の深夜ラジオ番組なんだそうです。
古屋氏は作品を読んでいてそれを感じたのだとか。
ラジオ番組はかっこ悪い自分、持てない自分でもいいんだ。と思わせてくれる内容のものだったのだとか。
たしかに、だからか、氏の作品からはちょっとアングラというか、サイキックな感じも受けますし、自身の心の中の暗い部分や闇についても臆することなく表に出しているのでしょう...ちょっと怖いけど...
2013.05.16
採点:★★★☆☆
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