横山秀夫の「陰の季節」を読みました。
横山氏の本は何作品か読みましたが、ことごとく面白かったので、俄ですが大ファンです。
特に「半落ち」と「臨場」はめちゃくちゃ嵌りました。
この作品は第5回松本清張賞受賞作、第120回直木三十五賞候補作。
ということで、結構期待できそうです。
ある意味とても変わった作品でした。
舞台はD県の県警なのですが、ミステリーの対象の事件が殺人事件とか経済事件などの一般の事件ではなくて、警察内部の人の移動だったり、噂や密告であったりと、他のミステリー作品とは一線を画する作品でした。
第一話は警務課のエースと呼ばれる二渡警視が人事異動の人の貼り付けをしているところに、3年前に天下りをしていった刑事部長の尾坂部が暗黙の了解を破って居座ると言い出す事件から始まります。
実力も名誉も得たような理想の刑事人生を送った彼が何故、急に居座るなどと言い出したのか?
警察社会の組織を守るため二渡が動き出すが...と警察内部の事情や組織、人間関係などが次々にあぶり出されていきます。
2話目以降も二渡は出てきますが、主人公というわけではなく、県警内の最年少で警視にまで出世したエースと呼ばれる一目置かれる存在という程度でしか出てきませんが。
2話目以降はかなり優秀な警視として描かれるのですが、第1話ではそれほど、そんな風に感じませんでした。
人間の心理の内部や人間関係を描き出すことで、刑事事件が無くてもこれだけのミステリーになり得ると言うことに少し驚きました。また、とても新鮮な作品でした。
横山氏の本はホント外れが無く、安心して読めます。
短編4編からなる短編集ですので、時間の無いときにも1話ずつ読めるので結構オススメです。
臨場や半落ちにはもう一歩でしたが、大満足の一冊でした。
2013/01/29
採点:★★★★☆
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