村上春樹氏の
1Q84を読みました。
最近ようやく面白さが何となく分かってきた村上春樹氏の話題の最新作です。
ちょっと手元に他の本がたまってしまっていたので、読むのを我慢していたのですが、
結局、他の本をやっつける前に読むことにしてしまいました。
文庫本で全6巻とボリュームもかなりありますが、村上ワールド全開で堪能できました。
村上作品を読むと、作中の日々の些細な行動に隠されている福音や比喩などにより、
普段の何気ない自分の行動が妙に不安になるなど、影響が出てしまい、
何となくノイローゼになりそうと感じてしまうのですが、面白いのでついつい手を出してしまいます。
初めて読んだのは短編集の
レキシントンの幽霊でしたが、全く面白さが分からず、
その後、ず〜っと読んでいなかったのですが、数年前に友人に勧められて
ねじ巻き鳥クロニクルを読んで感じたのが、すごく面白いけど、
不思議な世界へ話が飛んで行ってしまったり、何となく理論的に説明できないところがたくさんあり、
更に前述の通り、日々の何気ない仕草や行動の中の示唆が強力すぎて、
ノイローゼになりそう...手を出すと危ない。って感想でした。
その後、やはり面白さが忘れられず、
海辺のカフカが発売になったら読んでしまいました。
この時の感想も同じでした。
どうも、急に訳の分からない世界の話しに物語が飛ぶことがあるのが気になるのですが、
それが理屈では理解や把握ができないのに、何となく受け入れてしまっている自分もいて、
それが怖いと感じる原因のひとつでもありました。
この点については、村上氏が何かで、これは「
激しい無意識の世界の比喩」といっているのを読み、
なるほど〜と感じた記憶があります。
無意識=深層心理は普段の意識=理性では把握できないが、表裏一体で心の中に潜んでいる世界で、
その無意識の世界の比喩としての描写なのだと。
ユングでも詳しければ物語から主人公の深層心理なんかが理解できるのかも知れませんが、
理性では理解できないけど、何となく自然に受け入れているからいいかな〜といった感じで読んでいます。
前段が長くなってしまいましたが、今回の1Q84は2人の主人公「青豆」と「天吾」の物語が交互に繰り返され、
別々の物語が後に交差する壮大なラブストーリーでした。
ラブストーリーとして読むとちょっと動機というか、彼らが一途さを貫く理由がイマイチ弱いかなと思いますが、
そんなことを気にせずに読めばホント面白い、最高傑作といっても良いのではないかと思います。
物語の中心ともいえるリトルピープルはとても面白く、最後まで釈然としないところもあるのですが、
ファンタジーとしてこれだけの話も読んでみたいと思いました。
相変わらず日常のさりげない仕草や言動に隠されている真実や裏の行動など、
ノイローゼになりそうなほど、示唆や福音に富んだ作品になっているのですが、
慣れてくれば、これもまた村上作品の醍醐味のひとつとして楽しむようになりました。
期待を裏切らず、とても楽しむ事ができました。
これほどの作品を書くにはずいぶんと労力と時間がかかるのでしょうが、次回作が待ちきれません。
採点:★★★★★
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