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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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クライマーズ・ハイ横山秀夫

横山秀夫のクライマーズ・ハイを読みました。

同氏の作品としては「動機」、「半落ち」、「臨場」に続く4作品目です。
動機はまあまあだったけど、半落ちは非常に面白かったですし、 臨場も満点をつけました。

横山氏の作品とは相性が良さそうです。
いや、単に氏の作品がすばらしいのでしょう。

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週刊文春傑作ミステリーベストテン第1位、このミステリーがすごい第7位に映画化と
おそらく面白いことには外れはなさそうですが、ミステリーかと言われると、
ちょっとどうかな?という感想でした。

ただ、読み物としてのおもしろさは抜群でした。

あまり予備知識もなく、なんか新聞社と日航機墜落の話?という程度で読み始めたのですが、
大満足の作品でした。

みんな熱い。
地方紙のプライドや挫折感、また、組織と正義の葛藤など描き方が抜群でした。
青臭いですけど、なんか、こんな気持ちで仕事できたらやりがいがあるな〜と感じました。

小説の内容からは外れますが、なんか、世の中の情報ってマスコミ主導で
好き勝手にされているってイメージがあり、更に私は仕事として興味が全然ないのですが、
非常に優秀な方々が集まり、誇りを持って仕事をしているのが不思議でならないのですが...
政治記者にしても刑事記者にしても、なんで外から部外者として関わりたいのかと???
ホントに中身に興味があるなら、政治家や警察官になればいいのに。
あと、最悪なのが芸能関係の記者たち。
他人のゴシップやプライベートにあんなに群がって、嫌な仕事ですね...

話が逸れたので小説の内容に戻りますが、職場での部署間での利害関係というか
壁がまた歯がゆくもありリアルでした。
そうそう、それぞれの部署ではそれぞれの正義があり、また、他部署に対しての嫉妬やライバル心、
こんなのが渦巻く中で働くつらさというかもどかしさがよく描けているなと。

部下との関係も大変です。
一生懸命、まさに命がけで書かせた記事を載せてやれないデスクの気持ちや、
大きな事件を踏んだことが記者としての価値というか格を決めるという考え方による葛藤などなど。

さらに、家族との関係の葛藤が切なくも温かかくジーンと来ました。
お互いに思い合っているのに、なかなか素直にと言うかストレートに伝えられない相手への思い。
分かる気がします。
一度、家族との距離ができてしまうと、縮めるのって以外と簡単じゃないみたいな。


大満足の作品でした。

更に横山氏のファンになってしまいました。氏の作品はまた読みたいと思いました。


採点:★★★★★









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