「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

横山秀夫の「臨場」を読みました。

同氏の作品としては「動機」、「半落ち」に続く３作品目です。
動機はまあまあだったけど、半落ちは非常に面白かったですし、
ドラマ化もされているので、まあ、そんなにハズレはないのかなぁと。

どうやら短編集のようです。

臨場とは事件発生のときに警察官が現場に駆けつける初動捜査のことで、
この物語は主人公の超やり手検視官である倉石が臨場時の検視から
事件の真相を暴いていくという物語のようです。

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結論として大満足の作品でした。
どの話も秀逸の出来で、すべてがすばらしい。

主人公の検視官、倉石さんのキャラクターも魅力的です。
ホントにいたら、すげーいい人だけど、愛想悪いし付き合いづらいのかな？
私の会社のやり手＆クセのある上司２人を足したようなキャラ。
２人とも人によっては付き合いづらいようです。
優秀でやり手なため要求レベルは高いし、厳しいから。
倉石さんのように上司にもどんどん噛み付いています。
そして、２人とも実はとても他人思いのいい人。
私はご両方とも上手くやってる方だと思いますが、 何かすごくイメージが伝わってきました。

小説の中身の話に戻りますが、特別などんでん返しはないのですが、
事件の真相を暴いていく過程がとても面白く、引き込まれます。
しかも、ただの謎解きじゃなくて、その事件に係わる人間の背景や
それぞれの思いなど、非常に人間味があり思わずほろっと来ます。

すばらしい作品に出会いました。
どうやら、収録されていない短編を集めた「臨場スペシャルブック」というのが
あるらしいので、早速注文しようと思います。

良かったドラマ見てなくて。
先にドラマ見ちゃってたら、こんなに感動しなかったと思います。
もっともっと、続編が出て欲しい作品です。
出来がすばらしいだけに、一作品書くのも大変だと思いますが．．．

ほとんど興味を持っていなかった横山氏ですけど、
これで読んだ中で2/3が大当たりのお気に入り作品です。
もう、大ファンです。

それにしても新聞社に勤めていたせいか、非常に警察内部の事情に詳しいですね。
本棚には「クライマーズハイ」がありますから、これも早く読みたくなりました。
こちらは勤めていた新聞社の話ですので、また内情が良く分かるかと。
ただ、映画を見てしまったので、それほど衝撃を受けることはなさそうですが．．．


採点：★★★★★


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