東野圭吾の
容疑者Xの献身を読みました。
第134回 直木賞
第6回 本格ミステリ大賞
2006年 このミステリーがすごい!
2006年 本格ミステリベスト10
2005年 ミステリベスト10
と、大傑作といえる作品でしょう。
映画を見てしまったので、本を買ったまま本棚に置きっぱなしになっていたのですが、
いよいよ読んで見ることにしました。
感想としては、映画のままでした。
というよりも、映画が原作に忠実に作っていたのだと思いますが…
原作がよくできすぎていて、これ以上のアレンジは難しいと思います。
以下、
ネタバレも気にせずにじゃんじゃん感想を書いていますので、
未読の方でトリックを知りたくない方は気をつけてください。
映画を先に見てしまったので、すべてを知った上で読んでいるので、
少しドキドキ感には欠けました。
映画で見るよりも本で最初に読みたかったと思います。
映画のデキもすばらしかったですが、
これは単に原作に忠実に作ったからだと思います。
天才数学者(高校の数学教師)の石神が意中の女性である花岡靖子の殺人をかばうために、
他の人間を殺し、その人間を最初の殺人の犠牲者と勘違いさせる偽装をすることで
事件日を勘違いさせ、警察をミスリードし、アリバイ崩しに釘付けにするという
トリックには脱帽です。
禁断のトリックというかout of boxというか...
また、相手の女性ですらそのトリックを知らないところが
読み手にとってもミステリーとしてのおもしろさが増し、すばらしいと思います。
作中に出てくる数学のテストでも本質を理解していないと解けない、
代数の問題と見せかけて実は幾何学の問題などが
ヒントというか伏線になっているところも、今回のトリックの上手い例えだと思います。
非常にすばらしい作品だったので、未読の東野作品を読みたくなりました。
ただ一点、残念というか気になったのが、最後は花岡が湯川によって
石神の犯した第2の殺人のことを知り、自首に向かうことになるのですが、
この第2の殺人のことを知らないままだとしても、
石神が代わりに罪をかぶって自首したとなったら、花岡は黙っているのでしょうか?
それだけでも良心の呵責に耐えられず、自首したのではないかと思います。
最後、石神がストーカーまがいの行動というか偽装をしますが、
これは本心ではないことは手紙で花岡は知っていますので、
代わりに自首してくれてよかったとはならないと思いますし。
これは石神が天才的な頭脳を持った人間という設定だから気になる点であり、
このリスクの対応策というか答えも示して欲しかったと思います。
反対に、石神が天才ではなくただの不細工な内気なおっさんだったとしたら、
この部分は気にならないのですが、途中での花岡への指示などが成立しなくなっていまうので、
その設定自体にケチをつけるつもりはないのですが。
非常に面白かった作品だけに、もっと知りたいというかすっきりしたいと思ってしまっただけで、
これのために、この作品の評価というか感動が減るというわけではありません。
たいした量の本は読んでいませんが、私の読んだ作品の中では
トップクラスに面白かった作品の一つです。
東野圭吾が非常に人気があるのが納得できます。
採点:★★★★★
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