「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

以前夜は短し歩けよ乙女を読んだところ、とてもおもしろかったので、
同じ森見登美彦作品の四畳半神話大系を読んでみました。

四畳半神話大系 (角川文庫) 中古価格 ￥132から (2012/2/12 11:40時点)

正直、期待しすぎていたために残念な結果でした。
とはいえ、おもしろくないわけではないので、読んで損はありません。

主人公の僕が（京都大学らしき）大学に入学し、サークルに入るも、
4畳半のアパートでうだつの上がらない生活を送るのですが、
それを入学時に選んだサークルとそこで知り合う唯一の友人、
妖怪のような小津のせいにして、悩むという物語です。

何となく大学生活のうっそう感というか不安感、不満足感がでていて、
その部分には共感できなくもありません。

小津以外にも、恋する黒髪の乙女の明石さんや謎の師匠の樋口先輩、
羽貫さんや城ヶ崎先輩などの登場人物も魅力的です。


ところで、この物語は4部に分かれていますが、それぞれが別のサークルに入ったら
という設定でのパラレルワールドになっているのです。

結局、どのサークルに入っても、周りの人間は変わらず、
似たような結果になるのですが、ここにもう一工夫あればいいのにと思いました。

ただ、4つのパラレルワールドの話を読んだところで、
それぞれの話をさらっと楽しむだけで、特に目的があるわけでもないし。
ただ、だらっと同じような生活を繰り返しているので、
なんか緊張感がないというか、わくわくしないんですよね〜。


ちょっと、期待しすぎていたためにあまり評価は高くありませんでしたが、
これに懲りず森見氏の作品はこれからも読んでみたいと思います。

採点：★★★☆☆


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