泡坂妻夫の奇術探偵曽我佳城全集を読みました。
このミステリーがすごい2001年の第1位
本格ミステリベスト10 2001年の第1位
とすごいことになっていたので期待できそうです。
若くして引退した奇術家の曽我佳城がそのバックグランドを武器に
次々と怪事件を解決していく短編集です。
20年に渡ってのシリーズとのことで、全22話ありますので、
まとめて読むとボリューム満点です。
作者の泡坂妻夫も作家でありながらマジシャンと異色のバックグランドです。
本人がマジシャンだからこそのトリックだと思います。
とはいえ、マジックのタネや仕掛けを使ったトリックばかりですので、
解決してもぜんぜん感動しません。
素人の私に分かるはずないんですから… ホントに出来るのかそうでないのかさえも。
また、主人公の曽我さんは美しく気品があり、
そして才覚にも優れていると 絵に描いたような主人公なのでちょっと興ざめ。
それはそれで良いですけど。
前述のようにトリック自体には物足りなさを感じますし、
事件解決までの展開や動機などについても驚きというかひと工夫がありません。
読んでいて、すらすらと読めますが、次の展開が楽しみなほどではありません。
暇つぶしには良いかもしれませんが、特におすすめするほどでもないかと。
他に面白い作品はいくらでもあると思うのですが…
なぜ、こんなに賞を取ったのかが不明です。
20年の重みですかね? タイムリーに読んでいたら少し感想は違ったのかもしれませんが、
こんなことだから一時期ミステリーが廃れたんじゃないかと思います。
いや、廃れていたからこそなのかもしれません。
採点:★★★☆☆
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