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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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砂の器松本清張

松本清張砂の器を読みました。


先日読んだ代表作の「点と線」はかなりおもしろかったので、
それなりに期待できるかな?と思いまして。

ただ、自称代表作という「ゼロの焦点」はそれほどでもありませんでしたが。

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-------------------以下ネタバレ注意------------------------


事件の発生から一気に物語に吸い込まれました。
話の展開と清張の文章のなせる技でしょうか?

東北弁と「カメダ」という手がかりだけの目撃証言。
次々に起こる不自然な死。
それも、事件解決の糸口が見つかった、非常に都合のよいタイミングで。

そもそも、被害者が誰か分からない事件というのは、
先日読んだ宮部みゆきの「模倣犯」ぐらいしか今のところなく、
結構新鮮な気持ちで読むことができました。

しかも、その被害者は分かってみれば、非常によくできた人間で、
地元でも以前の勤務先で非常に人々から尊敬されるような恨みを買うことが
予想することができないような人物ということがわかり、
では、なぜ殺されたのか???

裏では何か悪いことをしていたのか?
それとも何かしらの逆恨みか?
嫌でも殺人の動機に興味が向きます。


物語全体のイメージとしては、事件解決というかストーリーの展開のたびに、
何かしら都合のよい偶然が起きるのですが、それが気持ちよいタイミングで、
すっと差し込まれてくるので、疲れることなく読み進めるのがよかったです。

なんとなく、二時間サスペンスの傑作と言う感じがしました。


実はハンセン病(ライ病)に対する差別を根底に扱った社会はミステリーなのですが、
それほど重たい扱いでもなく、さらっと扱っているところに好感が。

それにしても、私の知識不足で、ハンセン病についてよく知らず、
どのような過去があったのか、その程度もよく分からないため、
今イチ、ピンとこなかったのも事実です。


ゼロの焦点同様に、登場人物が限られており、ストーリーの展開上には必要ないだろう
という真犯人が当初の方から登場するので、犯人は何となく分かってしまうので、
その動機やトリックがメインの楽しみになるかと思います。

それでも十分楽しめたところに、この作品のすばらしさがあるのかと思います。


登場人物の配役で犯人が分かってしまう二時間サスペンスだけれども、
そのストーリー展開に釘づけになるような感じでした。

ひつこいようですが、二時間サスペンスの超傑作との印象です。


松本清張を読むのは、これで一段落かな?

採点:★★★★★









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