告白 湊かなえを読みました。
2009年の本屋大賞にも選ばれ、
2008年度の週刊文春ミステリーベスト10で第1位、
このミステリーがすごい!で第4位と大人気のようなので、
前々から興味があったので読んでみました。
----------------ネタバレも含まれますのでご注意を-------------------
まず、設定のドギツさに驚くとともに、一気にストーリーに取り込まれていきました。
ただ、文章がページいっぱいに書かれているのは、
少し、読みにくいなと感じましたが、そのうち慣れました。
学級担任が教員を辞めると告白。
その理由は4才の娘の愛理(まなみorあいり?不明)が学校のプールで亡くなってしまい
事故となっていたが、実はクラスの生徒に殺されたとの衝撃の告白。
その後、語り口調の文章の中で、さまざまな伏線が張られ、巧妙に犯人の発表と、
少年法に守られた犯人を教師(母)が自らの手で裁きを行います。
この課程が非常に面白かったです。
やっていることの内容の是非はありますが...
それにしても娘の愛理ちゃんがとてもかわいそう。
それ以外の登場人物には誰も同情できません。
みんな自業自得です。
それだけに、よりいっそう彼女がかわいそうで、その切なさがより際立ちます。
ただ、1章は非常に楽しく読めたのですが、2章以降は一気にトーンダウン。
特に小説用に書き下ろした4~6章は蛇足としか感じられない。
3~5章はそれぞれ別の視点からこの事件の動機や経緯を描いており、
多面的にこの事件を捉えることができるのですが、
それがそんなにすごいこととは特に思えない。
まあ、起きた大きな事件の記事を新聞や雑誌などいろいろなソースから読んでいる気分程度。
ここにはサプライズは存在しませんでした。
何かサプライズな動機や事件の真相があると思っていたのですが...
1~5章を通して語り口調で書かれているのですが、
語り手は変わっているのに、その口調というか文章は変わらず、
少し工夫はできなかったものかと残念でなりません。
事件を多角的に捉えるために語り手が変わっているのですから、
文章自体も語り口調であれば大きく換え、
それによってその主人公の性格などをもっと表してもよかったのでは?
6章で森口が見せる復讐の執念は、もはやこじつけとしか思えませんでした。
それほどのことをするのなら、直接手を下すでしょう...
1章「聖職者」の良さを全く台無しにした感があります。
導入部分が衝撃的であったため、また、第1章が非常によくできていたために、
後半の尻すぼみには残念ですが、十分楽しむことはできました。
ただ、本屋大賞を取るほどの作品か???
というのが正直な感想でした。
採点:★★★★☆
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