宮部みゆきの
模倣犯を読破しました。
ハードカバーの上下で2段の600ページずつと、結構なボリュームでした。
文庫本では4巻の長編ミステリーです。
2002年にはスマップの中居正広主演で映画化もされ、
2001年11月、第55回毎日出版文化賞特別賞受賞、
2002年芸術選奨文部科学大臣賞文学部門受賞と数々の賞ももらっていますし、
先日読んだ火車がおもしろかったので期待をして読みました。
下記は感想ですがネタバレがあるのでご注意を。
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最初の遺体の発見から、被害者の特定、被害者家族の描写や、
犯人からの遺族や大衆をおちょくるようなマスコミや遺族へのTELなど、
次々に展開する前半部分はとても引き込まれました。
しかし、犯人が分かり、しかも黒幕ともいえるピースが、
まんまと生き残った上で、身代わりとされた同級生の
濡れ衣を晴らそうとマスコミに登場し、時代の寵児となるくだりは、
私としてはあまり楽しめませんでした。
後半以降、この間に自らを天才と勘違いし、世の中を大衆というくくりで馬鹿にした
実は幼稚な犯人と、その犯人がただの出演者として蔑んでいる
被害者の遺族のたくましさや懐の深さなど、興味深い描写ではあるのですが、
私には、それほどグッとはきませんでした。
とはいえ、とてもおもしろかったので、映画の方も見てみようと評判を調べたのですが、
どうも映画はおもしろくなさそうです・・・
宮部みゆき自身、その出来のひどさに試写会中に席を外し、
監督との対談では、ほぼ終始無口だったとか...
採点:★★★★★
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