伊坂幸太郎の
バイバイ、ブラックバードを読みました。
読んだ後の情報ですが、郵便小説という珍しい方式で、新作が出来る度に選ばれて登録された50人にその物語が送られたのだそうです。
新しい試みということです。
費用と書かれていませんでしたが、これほどの人気作家の作品であれば、もっと多く読みたい人がいたんだと思うのですが...
しかも、この手法ならではの趣があるなら、それを味わえる人がたった50人とは...
何ともうらやましい。
そして勿体ない。
太宰治の未完で絶筆となった「グッド・バイ」を完成させるという企画で始まった小説だそうです。
でも、まあ、それは何でも・・・ってことで、ぞれをオマージュとした作品にしたのだとか。
この辺は、あとがきの会談で伊坂氏本人から語られています。
どの辺がグッド・バイを下敷きにしていて、どの辺を変えたのかが。
グッド・バイを知らないので、何とも興味のない話なのですが...
物語の内容としては、主人公の星野が止ん事無き事情により交際していた5人の女性に別れを告げに行くという話でした。
それぞれの別れに味があり、ある事情により一緒に来る繭美のキャラクターがすごくて、物語に惹きつけられます。描写としては、ハーフで顔はとても整っているが、190cmの身長に、150kgぐらいだったかの体重、不遜な態度といった女性です。
顔は整ったと言うことですが、どうしてもマツコ・デラックスをイメージして読んでしまいました...
別れを告げる5人の女性のことは全員本当に好きで、でも、詳しくは語られませんが、身から出たサビで借金が嵩み、なんだか恐ろしいところに連れて行かれるバスに乗らなければならないのだそうです。
カイジみたいです。
カイジよりはちゃんとした生活を送っていて、女性にもモテるみたいですが。
終わり方が文学的というか、えっ!ここで!!!ってところで終わってしまいました。
バスが何だったのか?
繭美のバイクのエンジンはかかったのか?
その後の星野の運命は?
全部、分からないままです。
伊坂氏曰く、この方が読者が自由にその後を想像できるから...ということのようです。
書きたいところはそこではなく、マツコ・デラックスのような繭美の変化のようです。
そのワリには、それを示唆するような描写が前段の別れのシーンでは出てこなかったような気もするのですが...
伊坂さんらしくない...それが楽しみなのに。
後付けじゃないかと訝ったりもするのですが、郵便小説として話を送った人の感想のはがきに、バスがどこに行くのか楽しみですなんて書かれていると、そこは書かないんだ、申し訳ないな〜なんて感じたと語っていますので、最初から決まっていたようです。
じゃあ、手抜きか???
伊坂氏の作品は序盤で貼られる伏線と、その回収の妙に魅力を感じているのですが、最近はあまり重要視していないというか、やってくれません。
確かに、文学作品としてはオマケのような楽しみで、本分は物語自体の面白さや人物描写、心理描写なんだと思いますが、そんなことに興味のない私には辛いです。
とはいえ、物語や文章自体が魅力的なので、読まされてしまうのですが...
先生!おねがいしますよ〜!!!
私の中では、今のところですが、ゴールデン・スランバーでピークを迎え、その後、なんか緩やかに後退してしまっている印象です。魅力が。
他の伊坂ファンはどう感じているのでしょうか?興味があるところです。
とりあえず、しばらくは読み続けますよ〜。
2014/09/19
採点:★★★★☆
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