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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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女王国の城有栖川有栖

本格ミステリー小説の大家、有栖川有栖女王国の城を読みました。

ジャンルも問わずにいろいろな本を読みあさっている中で、最近というか、このところ本を読み始めるきっかけだった本格ミステリーが読みたくなったため、氏の作品を読むことに。

分厚い大作でなかなか進みません。これは読み応えがあります。
単行本で買ってしまったので、出張に持って行くわけにも行かず、2週間ほど間が開いてしまいました。

こういうことを考えると、ipadやkindleなんかを買って、電子書籍で購入した方がいいのかも知れませんが、ただ、それには定価で購入しなくちゃいけなくなり、書籍代が嵩んでしまいそうなので、もう少し財力が付くまでは断念です。
今は、netoffで安くなった話題の本や読みたい本をまとめて購入しているような状態で、価格にしても定価の半額以下というのが実情ですから、いや、1/3以下かも。しかも、飛行機のマイレージをTポイントに換金してそれで購入しているので...


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有栖川有栖の本人シリーズの作品でした。
とはいえ、犯罪心理学者の火村シリーズではなく、本格ミステリー研究会の江神シリーズでした。
本人シリーズにも2種類あるとは知りませんでした。

この作品はこのシリーズでは4作品目で、しかも最後の3作品目からは15年も経っての発行だったようです。ファンにはたまらなかったでしょう。
とはいえ、本作品だけを読んでも十分に楽しめるようになっていますし、前作のオチが分かってしまうようなこともなく、これだけで完結している作品でした。


さて、物語りの感想ですが、読み応えもあり、多くの謎がちりばめられ、それが最後にはすっきりと整理されるという本格ミステリとしてはの楽しみを満喫することが出来る作品でした。
う〜ん、さすがというか、期待を外さないというか、さすが実力者といった感じでした。

ただ、難点が3つほどあり、ちょっと乗り切れない感じが残ってしまったのも事実です。

1つ目は登場人物が多すぎて、名前とキャラクターを覚えきれなかったと言うこと。なので、何というか、ちょっと物語の中にどっぷりと入り込めなかったと言うか、謎解きに参加できなかった感じが...これを映像で見ていれば別だったかも知れないけど。小説で読むには少しキツイ量でした。

2つ目は物語がじっくり進みすぎて、確信の事件が起きるまでに時間がかかってしまって、そこまで読むのが結構辛かった記憶があります。まあ、それまで、じっくり世界観を作っていくれていたこともあり、異様な設定の新興宗教の支配する街といった設定にもすんなり入れたというのはありますが。
また、その後も、なんか次々に事件は起きるんですが、その間の緊迫感があまりないというか、なんでそんなにゆっくりとしているのか?イマイチ理解に苦しむところがあり、乗り切れなかったです。
まあ、これに関しては教会が殺人事件が起きているのに警察を呼びたがらないという、一種の密室状況を作り出すための設定なのでしょうが、そのせいで物語の緊張感が犠牲になっているような気がしました。一方で教会の異常性というのが際立つ効果があったのかも知れませんが、確かに不気味でしたけど、主人公達への危害がないので、あまり怖くなかったというのも、失った緊迫感と相殺するには物足りないかなと...

最後は、聖なる祠の存在です。いくら聖なる祠という設定でも、あまりにも異常すぎて、これが大きな謎の一端を担いでいることは一目瞭然。その非現実さと合わせて、とても不釣り合いというか不細工に感じました。
真犯人だった青田も、凶器の銃を隠したあと、成人するまでに取りに行かないものでしょうかねぇ?それについての説明があったような無いような。あまり納得できなかったような気がします。


と、まあ、アラばかり書いてしまいましたが、十分に楽しめる作品でした。

ただ、内容のわりには長すぎて、誰かに勧めようと思えるほどでは無かったかなと。


2014/05/01


採点:★★★☆☆









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