本格ミステリー小説の大家、
有栖川有栖の
ダリの繭を読みました。
そもそも最近小説を読み始めたのがミステリー小説読みたい病がきっかけだったのですが、最近はその他の作品の面白さにも目覚めてしまい、行き当たりばったりでとにかく読みあさっているような状態でしたが、ここに来て、何故だか王道のミステリー小説が読みたくなりました。
平行して同氏の女王国の城を読んでいるところですが、約2週間のインド出張が入ったため、手元にあるのは単行本で持って行くわけにも行かず、文庫で持っているダリの繭を持って行きました。
とはいえ、現地では思った以上に忙しすぎて、行きの電車と飛行機しか読む時間が無く、あまり進みませんでした。
有栖川有栖の本人シリーズの作品でした。
内容としては殺人のトリックを暴くと言うよりも、不思議な死に方の謎を解くといった形でした。これが本格ミステリーというのかどうかは分かりませんが。
謎の解き方に工夫はあまり見られず、不思議な現場の謎が徐々に解かれていくという内容でした。まあ、不思議な現場の状況も、これならまあ、納得という真相なのですが、物足りないというのが正直な感想です。
まあ、まあ、この作品は元々それほど評判が高い作品というわけでもなかったので、これぐらいで満足なんですが...
ミステリーの本筋とは別ですが、氏のミステリー小説への熱い思いが綴られています。文学通やそれ気取りの人間達になんだかんだ言って本格ミステリーは自己満足の非現実的な小説と言ったような扱いや批判を受けるようなのですが、そんなのはどうでもよく、自分がミステリー小説を好きで、それを書いていること自体がタイトルにもなっている「ダリの繭」的な癒しになっていると独白しています。
東野圭吾氏の探偵の苦悩だったか何とかって作品でも似たようなミステリー小説への思いが語られており、それに通じる物がありました。
確かに、文学的な、文章の表現や人間の内面、社会の問題点などなどを楽しむためには本格ミステリー小説というのはパズル的で物足りないのかも知れませんが、それを批判するのは私はおかしいと思います。
まあ、両立は不可能ではないと思いますが、そもそも目的が異なるので嗜好の違いだけの問題なのだと思いますが...映画でもよくある、社会派の内容や人間の苦悩なんかをじっくりと描いている映画を高尚として、割り切ったアクション映画やコメディーはくだらないと批判しているような感じがします。気にしないことだと思いますが、ご本人がそんなに気にしているというのが意外でした。
今でこそ、実用書以外の所謂小説・物語といったものをよく読むようになりましたが、学生の時分は正直言って小説全般にたいして非現実的なものでくだらないと思っていました。実際の生活の方がよっぽど刺激的で面白さに満ちていると感じたものです。
それが今では何故、こんなに嵌っているのか???
2014/04/13
採点:★★★☆☆
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