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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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龍は眠る宮部みゆき

宮部みゆき氏の龍は眠るを読みました。

日本推理作家協会賞受賞の本作品、宮部氏の初期作品の代表作のようです。
宮部氏の作品を読んでいる限り、外れはないのでかなり期待できそうです。
まあ、そんなに傑作とは言えない作品もありましたが...

もう少し読んだら、ランキングなどとしてまとめてみたいと思います。


龍は眠る (新潮文庫)

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感想としては、期待以上に面白かったです。

ヨーロッパの出張から帰ってきて読み始めたこともあり、時差ぼけで夜寝られない中で、続きが気になるので調子に乗って明け方まで読んでいたりしたら、いっこうに時差ぼけが治らず困りました。


物語は嵐の夜、車を走らしている主人公がある少年、慎司と出会うところから始まります。

乗っていた自転車が壊れてしまったと言うことで、車に乗せてやることにした偶然の出会いですが、その車中、大きな音が聞こえたため車を止めて様子を調べると、マンホールの蓋が開いており、それを踏んでしまったための音だった事が分かります。

そこから物語が急展開します。

どうやら嵐の中、小さな子供が行方不明になっていることが分かり、マンホールに落ちてしまったのではないかと警察を呼んでの捜査が始まりますが、一向に見つかりません。
そんな中、ホテルをとって休んでいると、慎司がその少年はマンホールに落ちたと断言します。そして、その様子から犯人の車や風貌まで言及し始めます。

彼はサイキックで物や人から記憶を読み取れるサイコメトラーなのだと。
半信半疑の主人公の高坂ですが、その彼の子供の頃の記憶や辛い過去も言い当てられます。
果たして、彼の言い当てたマンホールの蓋を開けた犯人を捜し出す物語が始まります。

慎司の能力は本当なのか?

犯人らしき人間らを見つけると、どうやら彼らが本当に犯人だという確信を得ますが、本人達は認めませんし、証拠がありませんので警察には告発できないままになってしまいます。


そんな特別な経験をした主人公の高坂ですが、暫くすると、直也という青年が職場に訪ねてきます。

かれは慎司の従兄弟だと名乗りますが、慎司の語った超能力は全てデタラメだと話し出します。
そのトリックを理論整然と説明します。
これがまた、見事でやっぱりデタラメだったのかな?と感じ始めます。そうだよな、バカだな、超能力の存在を信じるなんてって。

でも、慎司は直也もまた超能力者で、彼はもっと強い力を持っていて、その存在を人々に知られたくないが為にそんなデタラメを言ったと主張します。
慎司は身内に同じ能力を持った人間がいたが、直也にはいなかったために、成長過程で辛い思いをしてきたと。慎司もその親類と両親の理解がなければとてもじゃないが生きながらえてはこられなかっただろうと。


導入部の物語のマンホール転落事件と平行して、高坂に差出人不明のおかしな手紙が届き始めます。
やがて、それが過去の辛い思い出の女性、小夜子を巻き込んだ事件へと発展していきます。

果たして、慎司の超能力は本当なのか?

事件の真相と結末は?

これらの謎解きだけでなく、それぞれの登場人物の心理描写や物語の構成などがとてもすばらしい作品です。宮部氏の巧さが堪能できる一作かと。

欲を言えば、もう少し超能力だ!デタラメだ!の証拠や論拠などが普段の会話ややりとり、行動の中で仕掛けがあり、あ~!だからか~!みたいなビックリというか大どんでん返しみたいなのがあれば最高だったかなと思います。

それにしても、よくできた物語で、大満足です。

2013/09/11


採点:★★★★









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