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思考は実現化するナポレオン・ヒル

 ナポレオン・ヒル氏の思考は実現化するを読みました。

 夢というか目標を達成するための方法が書かれているということで、社長に進められたこともあり読んでみることにしました。  

 この本は、成功のためのナポレオンヒル・プログラムの要点をまとめた本ということです。


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 ナポレオンヒルは貧しい新聞記者?をしていた若いころ、カーネギーに出会う機会があり、彼から、自身の経験も含め、成功者や今後成功しそうな人間をインタビューして、成功のための特徴というか近道を見つけてくれと依頼されたことから、このプログラムを作り上げたようです。

 その際の様子はとてもドラマティックに描かれています。
 そのインタビューは無給で、カーネギーは人は紹介してくれるけれども、報酬は直接与えてくれないという条件の中、受けるか受けないかを30秒だったか60秒以内に決断しなければならないというものでした。


  読んでいて、印象的だった成功の方法が次の2点です。


1.成功のためのプロセス

 多くの成功者に共通している点として、目標が具体的で、尚且つその納期がはっきりと決まっているというのです。そのため、成功したいなら次のステップを踏みなさいと紹介されています。

@具体的な目標とそれを達成する時期を明確に決める。
Aそれを紙に書く。
B犠牲にするものを決める。
C毎日、朝晩その目標を声を出して読む。
とてもシンプルですが、奥が深いと思います。

 このステップは現在、広くビジネスの中で言われているPDCAサイクルを回すということに他ならないと思います。
 また、私のビジネスの座右の銘は、不思議の国のアリスがチャシャ猫に「どこに行けばいいの?」と尋ねた際の「それはお前が何をしたいか次第だ。」との答えなのですが、ゴールとその納期を決めるというのはまさにこれにつながる話だと思います。
 目標が決まっているからこそ、何をしなければならないかが分かる。ゴールと納期が明確になっているから、それに合わせて、何をしなければならないかをキャスケードダウンしてアクションプランを作ることができます。最終的なゴールとその時期が決まっているからこそ、そこにたどり着くためのステップが描くことができるのだと。逆にこれがないと具体的なアクションに落とし込めないかと。  
 そうなれば、次はそのためのステップを具体的な小目標と納期に分解していき、どんどんブレークダウンして、最終的な目標を達成するためのアクションを構築していくことができます。 私のチャシャ猫の座右の銘との違いは「明確な納期」です。これは確かに必要です。これがないと、ピラミッドを見たいといっても、飛行機で行くのか?ヒッチハイクなのか?泳いでいくのか?手段が決められません。  

 また、それ以上に印象的だったのは犠牲にするものを決めるということです。目標を設定してもそれを達成するためにできることをやっているだけでは、達成できないでしょう。優先順位をつけて、あきらめざるを得ないことは捨て去る必要があるんだということを教えてくれます。
 たとえば、毎日10時間寝たくても、目標を達成するためには1〜2時間削る必要があるかもしれません。これを削れないというのであれば、その目標の設定は間違っており、私にとっては毎日10時間寝るというのが優先順位の高い目標だということです。心から本当に望む目標を設定し、そのために必要なリソースをマネージすることが必要なんだと学びました。  

 最後の毎日、朝晩声に出して読むというのはPDCAの"C"で進捗を管理するということでしょう。昔、何かで読んだ記憶があるのですが、世界で一番成功した宗教はキリスト教で、何故それほど広まり、お金も集まってくるのかという問いに、キリスト教は1年に1度、それぞれに目標を設定し、その結果を必ずフォローしていたからだ。要はPDCAが回されていたからだなんてのがありました。



2.心の力  

 もう一つ印象的だったのは、心の力、信じる力をことさらに強調していることです。できると信じて物事に取り組むことの大切さというか、そのことの持っている力のすごさを教えてくれます。
 物事を前向きにとらえて、それに向かって突き進む力は、自分だけでなく周りの人間も巻き込んで、すごい力になり、結果を出すことができるのだというのです。そのためには、普段からの心の持ちようや物事に対しての姿勢が重要だと説いています。
 自分自身が正しいというか望ましい心の状態になっているかチェックするための物事に対する姿勢などのチェック項目がありますが、身につまされるものが多々あります。私にとっては前向きな姿勢とか他人の批判ってあたりが課題かと思いました。それに確かに周りの人間を見ていても、なるほどな〜と思います。

 何か課題を与えられた時に、ちょっと知恵がつくと、出来ない言い訳、やらないための言い訳を考えがちですが、そんなこと考えるぐらいなら、どうやってやるかを考えた方がよっぽど建設的で少なくとも物事は良い方向に進むと思います。というか、最近、ようやくそう考えられるようになってきました。結果が伴わないと心配なので、何とかチャレンジを回避できるように考えたり、たくさんのタスクを与えられると手が回らなくなり、成果が出せないと心配になるので言い訳を考えた時期もありましたが、まあ、それこそ無駄だったな〜と。その分、少しでも前向きに行動に移していれば、満足な結果は出なくても、少なくとも少しは良い方向に出る可能性がありますから。
 失敗してもそこから学べば、次はもっと良い結果が出ることになりますし。もちろん、準備不足で適当に対処して大失敗に終わり、やらない方がよかったなんていうひどい結果にはならないようにしなければなりませんが。



 これ以外に、氏が実践していたこととして紹介されているのが、歴史上の偉人を3〜4人選んで、寝る前に空想の中で会議をさせていたということです。ジェファーソンやワシントン、エジソンあたりだったのではなかったかと思いますが、忘れてしまいました。

 私も試しに好きな歴史上の人物を選んでやってみていますが、そのメンバーも固定できていないし、なんか、考えがまとまらないまま、眠くなって寝てしまっています。でも、一人で悶々と悩むよりも、物事を客観的に、しかも成功した人の気持ちで考えられるというのは良いような気がします。

 考えがまとまらない・方向性が見いだせないというのは、私の中の偉人さんが思いつくアイディアや課題点を私自身が不可能だと否定してしまっているからなのかもしれません。この点に関してはもうちょっとトレーニングが必要な気がします。  


2014.01.25


採点:★★★★★









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