唐津一氏の
かけひきの科学を読みました。
勝負事やかけひきを科学的に分析し、負けない方法を教えてくれるというので読んで見ることにしました。
最近の仕事は自分だけで完結することが出来ず、多くの人たちや部署、組織を巻き込んですすめていく必要が増してきました。
自分の思った方向に物事を進めていくために参考になるのではと思いまして。
本書では下記の4章からかけひきの機微について科学的な観点から説明されています。
1.情報の威力
2.かけひきの技術
3.仮説の立て方
4.データの魔力
まず最初に情報の重要さとその威力について説明されています。
情報を上手に、有効に利用するためには、情報を早く正確に入手し、それを効果的な方法で使う必要があると教えてくれます。まあ、当たり前と言えば当たり前ですが、ロスチャイルドや浅野内匠頭の例などを交え、情報の概念や扱い方のポイントが説明されます。
次のかけひきの技術の章では、マキュヴェリの君子論、クラウゼヴィッツの戦争論、ゲーム理論を前提に、単に確率論だけはなく相手の出方によってもその進み方の変わる交渉について、ミニマクス戦術やランダム戦略などを織り交ぜながら様々な交渉の方法について説明されています。
いろいろな考え方が紹介されていますが、これ!といった結論には至っておらず、ちょっと消化不良なところもあります...いろいろな考え方や戦術があるのは分かったけど、どれをどう使えば良いのか?誤った戦略を用いたために失敗した例などがもっとあると分かりやすくてよいかな?と思いました。
その後の仮説の立て方の章では、実際のビジネスや外交・戦争の例を挙げて、リーダーとして戦略を立てたり決断をするための方法が説明されています。
この中で、特にサイバネティクスでの目標・明確を明確にした上で、それに向かってどのような状態で進んでいるのかのフィードバックを得て、再度軌道を修正していくという考え方に大きな感銘を受けました。現在のビジネスで言うところのPDCAを回していくと言う考え方に繋がっているのでしょうが、最初に目標を立てて動き出すけれど、都度、進捗を管理しながら進む方向を見直すという考え方は、どちらかというと日本の文化からだと出てきにくい考え方かなと思います。
日本的な考え方だと最初から完璧な作戦や戦術を立てる!そのために延々と情報収集したりその解析・分析をいつまでもして結論が出ず、なかなかアクションに移せないなんてなりそうです...
最後のデータの魔力の章は、データなんて同じデータを元にしても目的によってその処理の仕方や発表の仕方を変えることにより、どうにでも都合良く見せることができるということが書かれていました。よくマスコミで発表されている数字にしてもデータの出所や処理の仕方まで理解でいないと判断を誤ると。当然ですよね。
しかし、世の中、ホントに騙されている人が多いということが分かります。
とまあ、全体としていろいろ勉強になりました。
ただ、かけひきや交渉の上で大きな視点に立っての話が多く、実務的なところまではかみ砕かれていないので少し消化不良なところもありました。まあ、そこまでは求めすぎなのかも知れませんが...
2013.06.29
採点:★★★★☆
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