加藤諦三氏の
誰にでも「いい顔」をしてしまう人を読みました。
特に予備知識を持って読んで見たわけではなく、タイトルが何となく気になったために読んで見ることにしました。
仕事でもみんなの顔を立てるのが大変だったり、自分の思いを押し通すと余計な軋轢や摩擦、障害が生じるので、なんか良い解決方法があるかもしれないと思って。
中身ですが、Wayne W. Dyer氏のPulling Your Own Stringsの出来損ないという印象でした。
文章が短く、ブツブツ切れているのでその文章自体は分かりやすいのですが、そのページや章の内容が分かりにくいです。ストーリーが伝わってこない。
なんか一生懸命、コツコツと似たような理論と説明を積み上げているけど...
みんなにいい顔をしてしまうのは、他人から嫌われてしまうのが怖いから。
他人に嫌われても大したことないのに、たいていの場合は子供の頃に両親からちゃんとした愛を受けるという経験が出来なかったためにそうなってしまうとのこと。
そういう人たちは、他人のために一生懸命になる。
世の中のずるい人たちは、それを利用する。でも、感謝しない。
嫌われたくない症候群の人たちは感謝されないし、認められないからストレスになる。
人付き合いが辛くなる。生きるのが辛くなる。
って様なことが何回も何回も書かれています。
納得できなくもないけど、ずいぶん乱暴な論法で展開されている気がします。
原因はそれだけじゃないだろうって。
また、海外の文献というか説を引用する際には、無批判にそれを"正"として扱っていますが、これもまたずいぶん乱暴だなと感じました。
宗教や価値観、等式など文化的な背景が全く異なる国での考え方がそんなにすっきりと日本に当てはまるはずがないと思うのですが...
文化を越えた人間の根幹に関わる価値観などは共通といいますが、ここで問題となる親子との関係、家族の在り方、社会と個人の関わり方に関しては、文化的な違いが大きな影響を与える事柄です。
あと、本書の中では誰にでもいい顔をしてしまう嫌われたくない症候群の人たちは、嫌われても大したことないのに、そのことに気づけないためにずるい人たちに利用されてします。
一旦、こういう状態になったら、そういう人間関係を断ち切るためには覚悟とエネルギーが必要になるが、多くの人はこれを避けてしまい、事なかれ主義で妥協をしてしまうために自体は悪化してしまうのだそうです。
でも反対に、自分に自信のある人、子供の頃に親から十分に愛情を受けて育った人は嫌われることを恐れずに、他人に対しても嫌なことは嫌と言う、嫌われても平気、やりたくないことはやらない、衝突を恐れない、無理をしない、だからストレスがたまらない。なんてようなことが書かれています。
学生だったらいいかもしれませんが、会社でこんな人がいたら鬱陶しいし、仕事でも役に立たなそうです。
もちろん、イエスマンにならずに言いたいことを言えるということはすばらしいことだと思いますが、言うべきことと言わざるべき事というのがありますから、それをわきまえる必要がありますが、上記の特徴だと言いたいことを全て言ってしまいそうです。
上司や仲間、会社の期待に応えるために、何を求められているのかを良く理解して、その役割を果たすというのは組織人として必要不可欠な最低限の資質だと思いますが...
本書を読んでいると、社会の荒波では通用しないような内容ばかりで、ホント論理を弄んでいるだけという感じがしますが...
この本を読むのであれば、このような状態から抜け出すための具体的なアドバイスが分かりやすい、冒頭に名前の出てきたpulling your own
strings (頭のいい人はシンプルに生きる)の方がおすすめかなと思います。
こっちは、結構参考になりましたから。
2013.05.26
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