宮川俊彦氏の
北風は太陽に負けない!を読みました。
宮川氏についても、本書についての予備知識は全くなく読んで見ました。
さてさて、著者の宮川俊彦氏ですが、国語作文教育研究所の所長さんと言うことで受験の論文や昇進試験用の論文など35万人以上の論文を読んでこられた様です。
論文を読めば、その人の物事の捉え方や考え方が分かり、人となりが伝わってくるのだそうです。
まあ、そうでしょうね。
そのなかで、論文のコンサルとしての立場から、昇進するための論文の書き方を指南したのが本書だとのこと。
いろいろなノウハウやテクニックが書かれていますが、物事を多角的に捉えて、多数派に流されないようにしましょうとのことのようです。
物事を多角的に捉えて分析する例題なんかは、何故赤ずきんちゃんはオオカミに食べられてしまったのか?ウサギとカメでカメが勝つ他の方法はないか?北風は太陽に勝つためにはどうしたらよかったのか?、オオカミ少年は本当に嘘つきだったのか?などなど、身近な物語を題材に分かりやすい例で説明してあります。
もう一方の、多数派に流されずに独自の意見を持とうというところですが、ちょっと奇をてらう意見に収束しているところが見受けられ、誤解されて伝わるのでは?と心配になりました。
独自の意見を持とうというのは、私は、ただ単に多数は意見だから、一般常識だからという理由だけで受け入れるのではなく、しっかり、多角的に分析をして、本質を捉えてましょう。そのためには物事を上記のような例で考えてみるということが大切で、そういうプロセスを踏んでいるのだというのが論文で語られることが必要だと思うのですが、上記の例題だと少し語論を弄びすぎて、本質を捉えることを逸していると思います。
繰り返しになりますが議論を弄ぶためのテクニックやノウハウが紹介されていますが、全体のまとまりが悪く、本質も外している気がします。
この方に昇進論文を判断させてよいのか、少し疑問です。
物事を多角的に考えよう、自分で考えて答えを出そうということには賛成ですし、そのためのテクニックとしては参考になるかなぁとも思いますが、そのテクニックを説明に主点を置きすぎで、伝わりにくいなぁ〜と思います。
例えば会社の部下や自分の子供に本書を薦めたいかと考えると、本質を誤解して捉えてしまいそうなので、ちょっとNGかなぁと思います。
2013.04.18
採点:★★☆☆☆
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