本書は主に企業のcopporate communicationの戦略コンサルタントとして活躍されている戸矢氏により、人の上に立つリーダーやカリスマとなるために必要な事柄の書かれた一冊でした。
カリスマのつくり方と題された本書ではありますが、中身はカリスマと呼ばれる人々の分析から、カリスマに欠かせない能力や特徴の紹介、それを身につけるためのアドバイスが前段として書かれています。
本書の題名とストレートに関係する内容としては最初の1章のみで、その後は少し題名とは離れた内容になってしまっています。
これは、これで興味深い内容が書かれているのですが、これらを目的として読んでいないので少し興醒めです。
まあ、カリスマのつくり方では1冊書く内容がなかったのかな?と感じました。
第2章ではカリスマとブランドの関係。企業などのカリスマリーダーが、そのままその企業の商品や企業自体のブランド化に繋がり、ファンの顧客を増やしていくという正のスパイラルに導くパターンと、一旦カリスマが求心力を失うとブランドとカリスマが負のスパイラルとなりどんどん堕ちてしまい止められなくなるという事例が紹介されています。理論だけでなく、実例が紹介されており、分かりやすい上に説得力があります。
でも、これはカリスマの話と言うよりはどちらかというとブランド戦略の話だと思います。あくまでもカリスマとブランドについては、鶏が先か卵が先か的な議論はなく、必ずカリスマが先なので...
カリスマの効力について語られていると言えばまあ、そうなのですが、カリスマのつくり方には関係なかった様な気がします...
第3章はメディア戦略というかpublic relationについて書かれています。カリスマのメッセージを社内外に発信するために、その発信先のドメインを分類しcorporate
communicationとしては各々に合わせたメッセージを分かりやすく発信していく必要があるのですが、その最も効果的なものがマスメディアとの章です。
う〜ん、この辺までくるとようやく分かってきます。この本はpublic relationの戦略と戦術について書かれている本であり、読者の興味を引くためにカリスマのつくり方とは題したものの、それだけでは十分なボリュームにならなかったので、2章以降はPRやCC全体について書いているんですね...
第4章なんてもっと関係ないです。白洲次郎の「プリンシプルのない日本人」を読んで感動したので、無理矢理入れているようにしか感じません。確かに本質をぐさっと突いてくるすばらしい本だとは思いますが...
読み物として十分に楽しむ事は出来ましたが、題名に対して一貫性が欠けている感じがしました。
最近多いですね...読者の気を引く題名をつけておいて中身が追いついていない本が...
これも、その一つだと思います。
2013.03.25
採点:★★★☆☆
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