本書は伊藤忠商事の社長であり、中国大使も務めたことのある丹羽宇一郎氏の仕事についての姿勢や考え方を独白している一冊です。
伊藤忠時代のご活躍については何も知りませんが、中国大使としては日中関係が難しい中、日本と中国との橋渡し役としての大役を受け、中国で自身が乗った公用車が襲われるという自体にまでなったのは記憶に新しいところです。
中身を読んでいくと、まあ、どこにでもあるような内容が書かれています。
ただ、丹羽氏の経歴というか実績がこの内容に説得力を与えています。そうでなければ、あまりにもありふれた内容であり、何のインパクトのない一冊になっていたかもしれません。
全体のメッセージとしては、最近の日本の若者は閉塞感に負けてしまいエネルギーがない。若者よもっと頑張れ!日本を引っ張っていくような気概を持って働くんだ!という応援でした。
特に、中国の経済の急成長を目の当たりにして、若者だけでなく国民の一人一人、国全体がすざましいエネルギーに包まれた中国におられたのですから、より一層、日本での閉塞感や若者の元気のなさに心配をしているのだと思います。
内容としては本を読め。人は本で磨かれる。本から得る知識をどんどん取り入れて成長しようと書かれています。人間にはどうぶつの血が流れているが、それを制御して理性を保つためには本を読み知識を蓄えることが必要だと。また、人間は他の動物とは異なり、過去の自分の経験や失敗だけでなく、歴史からも学ぶことが出来るのだと。その通りだと思いました。
また、人は仕事で磨かれる。会社に入って自分の実力が二止められていないといってふてくされたり、すぐに会社を辞めてしまうのはもったいない。まずは3〜5年、蟻のように必死に働いて、その分野では誰にも負けないと言うところまで極めてみよう。
また、会社の中で実績や実力を認められないというのは間違いで、組織の中で評価をするのはあくまでも他人であると言うことを心に刻むようにということが書かれています。
そして、最後にお天道様に恥じないように正直に生きようと言うことが説かれています。ひとつ嘘をついてしまうと、その嘘の辻褄を合わせるためにどんどんウソを重ねることになり、心が安まらない。また、最後にウソがばれてしまった時には周りからの信頼を失い、その信頼の回復は困難だということです。これについては世間の例や自身の経験から生々しく描かれています。
どんなにつらい仕事や課題に取り組むときにも、ごまかさずに真正直に取り組むことが大切で、伊藤忠の社長の際に取り組んできた修羅場はそういった姿勢でなければとてもじゃないが潜り抜けなかっただろうと思い起こしています。
若者に向けてのメッセージとしてはごく当たり前のことが書かれている気がしますが、その経験や実績から説得力があり、派手ではないけれども、「本を読み学ぶ」「仕事に没頭する」「嘘をつかずお天道様に恥じない生き方をする」ということが間違っていないと感じることが出来ます。
2013.03.25
採点:★★★☆☆
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