永守重信氏の
人を動かす人になれ!を読みました。
永守氏は言わずと知れた一流(ブラック)企業の日本電産の創業社長です。
企業としては合併吸収を繰り返しながら順調に成長していますが、
従業員を猛烈に働かせることから学生の間などでは知名度や規模は一流だけど、
入ったら大変というブラック企業としてよく名前が出ているようです。
永守氏の座右の銘は「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」です。
そして、自らも日本電産の社風として過酷労働を標榜していると隠そうともしません。
何故、猛烈に働かなければならないのか?
答えは簡単。
創業当時はどうしても優秀な人材を採用することが出来なかった。
同じ能力なら長く働いたら競争に勝てる。多少の技術力のさも長く働けば逆転できる。
じゃあ、我々は敵の2倍働こう。
そうしなければ企業として生き残れない。ということだそうです。
そんな永守氏の人の動かし方、その極意が書かれているらしいので、興味津々です。
本書は人の動かし方や育て方について、永守氏の考え方が書かれているのですが、
正直言って、あまり参考にはなりませんでした。
根性論。根性論。根性論です。
リーダーたり得る資質の見抜き方に決して会社を休まないこと。
40℃の熱があっても、毎日会社に来ること???
責任感を重視しているのは分かりますが、他人に病気をうつすリスクは高いし、
まともな判断力も働かないでしょう...
しっかり休養を取って早く直して、前回バリバリで働いてもらいたいものですが...
はっきり言ってこんなリーダー迷惑でしょう。
部下の叱り方と褒め方、中途採用者の意識改革の仕方や方向性などは、
ご本人の哲学が紹介されていて、多少参考になるかも知れませんが、
世界でも最も高い人件費を抱えている日本で、あまりにも効率化を軽んじた根性論に辟易しました。
ちょっとやる気を失っている部下や悩んでいる部下を休日に自宅に招待して、
食事をしながらコミュニケーションを取りながら再生をすることを試みた話など、
それだけやっても結局ダメなことも多々あり、100人に試して1人が成功するなら
その努力を惜しまない何て書かれていますが、ほんまかいな?
そんな生産性の低いことホントにやるんかな?
本を出版するからちょっとかっこつけちゃっただけならいいんだけど、
この本全体のトーンから、ホントにやりそうな気もします。
ということは、当然部下にも同じ事を求めるわけで、合理性に欠けますね...
そういえば、この会社はかなり偉い人(本部長ってタイトルの人)が
千円もしないタクシー代を節約するために部下と田舎で1時間もバスを待っているのを見ました。
トップから末端までコスト意識がしっかりしていて、すごい企業のようにも見えますが、
彼らの生み出さなければならない付加価値や利益からはとてもナンセンスに思えます。
何故、この企業が調子よいのか分かりません。絶対失速すると思うのですが...
根性論、浪花節がまだまだ通用する社会なんですかね?日本は...
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