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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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本当は日本にあこがれる中国人王敏

近年の中国経済の成長は目を見張るものがあり、日本を抜き世界2位のGDPになりました。

少し、成長率は鈍化してきましたが、まだまだ生長は止まらないでしょうし、
より重要な市場になってくることは間違いないと思います。

我々の仕事でも仕事は日本から海外にどんどん変わっていき、
主戦場は海外へと移ってきています。
そんな中、中国の存在感は益々増すでしょうし、重要になってくると思います。
私は今でこそ、中国拠点とはあまり関わり合いはありませんが、
今後のことも考えて少し中国のことを知りたいと思います。


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日本と中国は歴史的な背景からも、あまり仲がよい国とはいえないでしょう。

近年も尖閣諸島問題が再燃し、いっこうに解決の方向に向かいません。
教科書問題や南京問題、レアアースの輸出規制など、
個人レベルでは違うと思いますが、政府レベルではまだまだ問題が山積です。

今後、ますますビジネスパートナーとして重要になってくる中国なのに、
どちらかというとリスクのある国と認識されてしまっています。

感情的なものが相まって、マスコミが反中感情を煽っている気もします。
何か問題があった際の中国側での報道もすぐに紹介されますが、
とても頭にくるような内容ばかりです。本当にそうなんでしょうか?


古くからよく聞いたことは、中国は大きすぎるし民族も多いので、
日本を敵として批判することで、政府への批判を減らし、国をまとめる方策にしている
なんてものがありましたが、最近、少し見方が変わってきました。

これは本書での内容もそうでしたが、中国ビジネス文化セミナーでも同じことを言っていました。

その内容は、現在の中国の歴史はどうしても抗日戦争と共に歩んできた歴史であり、
国の成り立ちや正当性を語るに辺り、どうしても日本は避けて通れないのだそうです。

以前は冷酷な日本としてのイメージが強かったみたいですが、戦争は日本の軍部の責任で、
民間というか日本国民だって戦争の犠牲者なんだという認識が広がっているようです。
これにはNHKの「おしん」が中国で放送されたことが大きな役割を果たしているみたいです。


また、日本政府は戦争について責任を認めたり誤ったりした経緯がありますが、
日本からすると中国はいつまでも責任と賠償とネチネチ言ってくるというイメージがあり、
正直、うんざりすることもあるのですが、これも中国と日本の文化の違いなのだそうです。

日本は一度、過ちを認めて謝罪すると過去は水に流し、それ以降はあまり触れませんが、
中国の文化では過ちを認めて反省しているのなら、会う度にでも謝るのだそうです。
相手がもういいよって言っても、会う度に必ず謝るのだそうです。

こんな文化の違いがありますので、日本の姿が反省しているように見えないのだとか。
それで過去の謝罪もウソだろうと認識してしまうようです。

日本人も中国人は謝らないと感じている人が多いようですが、
中国もそう感じていたとは...
中国人が謝らない理由は、過去の歴史からも、過ちを認めたら仕事がなくなったりして、
簡単に生活が出来なくなってしまうことになるからだとか。
反対に、日本人は誤りを認めて、それを元に改善していこうと考えるので、
中国人が謝らないということは誤りが理解できていないと考えてしまうのですが、
彼らからすると前向きな改善の前に個人としての処罰が怖いんだそうです。

う~ん。異文化は難しいですね~。
お互いにお互いを学ばないといけませんね...

日本人の専門家が書いている中国文化に関する本だけでなく、
中国人側からの本を読むのもとても参考になります。
歴史も含めた中国関係の本をもう少し読んでみようと思います。

海外のカテゴリーの中に中国が独立して作られるくらい読んだらたいしたもんですかね?
まあ、中国に赴任にでもならなければ、そこまでは行かないと思いますが...

採点:★★★☆☆









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