以前、会社の上司から借りて読んだ「失敗の本質」の入門編です。
「失敗の本質」はすばらしい内容で、太平洋戦争の7つの戦闘を通して、
何が起こり、なぜ負けてしまったのか?それはどのような構造的な問題に根付いているのか?
を分析した本です。
戦争関係の知識があまりにも乏しい私には入りにくい作品でした。
そもそも、それぞれの戦争についての予備知識もないし、
銃器や戦艦、戦闘機についての基本的な知識すらないので、非常に読むのに苦労しました。
しかし、日本軍の組織的・構造的な問題があぶり出されており、
それが今日の日本企業の組織に通じるものがあり、非常に勉強になりました。
本書は名書「失敗の本質」のビジネスへの応用のための入門編の解説書です。
失敗の本質で語られている7つの戦闘について、その敗戦の原因をおさらいし、
それを一般的な組織における問題として解説してくれています。
更に、ビジネスの場面での実例を紹介と、至れり尽くせりです。
非常に読みやすいのでオリジナルとは異なり、あっという間に読んでしまいました。
そして、オリジナルの理解が深まった気がします。
改めて、失敗の本質のすばらしさを確認すると共に、その中で語られている問題点について、
より身近な問題として理解できたような気がします。
現代ビジネスにおける日本企業の閉塞感における、組織や経営の問題点として
大戦での日本軍の問題点や失敗を通してあぶり出される課題については、
我が社でも共通する問題だと思います。
具体的なプロジェクトや人名レベルで浮かんできます。
これからの私の仕事に活かしていけるように、何度も読みたい本のひとつです。
ただ、ビジネスの実例として語られる何点かは、少し的外れというか、
ちょっと合点がいかないものがありましたが...
特にAppleのスティーブ・ジョブズについては、想像で語り過ぎだし、
戦略(KPI=指標)を替えて成功したというのはちょっと違う気がします。
ジョブズ氏の著書にも、イノベーションは技術から生まれるのではなく、
市場のニーズからのフィードバックでしか生まれないといっていますし、
ピクサーについてもどうもコンピューターグラフィックスの映画は副産物のようですから...
それよりも、ジョージ・ルーカスからピクサーを買い取ったときの目的は
別にあったけど、そちらの(システム?OS?)はコケたみたいですし。
採点:★★★★☆
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