戦国時代の大誤解鈴木眞哉
織田信長の桶狭間の奇襲。
今川義元の上洛。
有名な武田信玄の肖像画。
川中島での大将一騎打ちの名場面。
これらの戦国時代の常識というか名場面が、実は本当ではないとしたら？
教科書や世間一般で信じられている戦国時代の常識や歴史には
かなりの誤解が存在するのだとか。
非常に楽しみな一冊です。
著者の鈴木氏からの警鐘は、一般に信じられている戦国時代の歴史にも
研究が進むにつれて真実ではないと分かってきたことも多々ある。
よく分からなかったために、もっともらしい説がいつの間にか広く普及し
それが歴史として定着してしまったものも少なくない。
ただし、こういうものについては確たる歴史的証拠があるわけではないので、
単に鵜呑みにしてしまうのは危険で、近年、それを反証するような説や文献も多くある。
ＮＨＫには多くの人が盲目的に信頼を寄せているため、
特に大河ドラマは人気があることも手伝って、その場面や歴史の出来事の解釈を
歴史的事実と誤認してしまっている人が多い。
それだけでなく、意図的というか確信犯的なウソが制作側にも見受けられるとのことです。
中身の各アイテムの議論ではしばしば大河ドラマの歴史誤認（確信犯）のある場面など、
結構痛烈に批判しているように読めるのですが、あとがきではそうではないのだと弁明しています。
ＴＶドラマを成立させるためには、歴史的事実を知っていたとしてもドラマ性を持たせたり、
視聴者にわかりやすくするために、敢て事実をそのままは表現しないこともあるだろうと、
十分に理解も示しています。（そんなの当たり前と思いますが...）
その割には大河ドラマに対しての批判がましいコメントが多いんですよね...
でも、上記のようなことを理解されているならそんなに言わなくてもってぐらい。
この批判を見ていると、大河ドラマを見て日本は歴史を捏造する国だと言っているようなもの。
ＴＶドラマにそんなに向きにならなくても。
まあ、ＮＨＫに対しての尊敬と信頼の気持ちの裏返しといったところでしょうか？
私なんかは全然信用も信頼もしていないから、全く気にならない。
さてさて、肝心の内容ですが、全体としてそれなりに楽しむ事は出来ました。
ただ、驚くような新事実はないので、インパクトはあまりありませんでした。
暇つぶしに読むにはいいけど、敢て人に勧めるほどではないかなと。
今まで誤解していたこともありますが、大きく意識が変わるような内容ではありませんでした。
印象に残ったことと言えば、当時の人たちは実名で呼び合うことはなかったということ。
家康殿、信長様なんて呼ぶのはもってのほかだったとか。
仮に同格や上司に向かってそんな呼び方をしたら身分剥奪の上、放免でも不思議でないぐらいとか。
部下に向かっても名前で呼ぶのは憚られたとのこと。
でもＴＶドラマでは名前で呼ばないと視聴者に誰のことか分からなくなってしまうから
しょうがないですよね。
あと、美濃の斉藤道三は坊さん油売り、一国の主になったと言われていましたが、
どうやら仏門から下俗、油売りをしていたのは父親だったことが分かってきたようです。
なので、実は二代がかりでの美濃の国をとったのだとか。
それを示す証拠というか文書が見つかっているので、ほぼ間違いはないのだとか。
でも、全体に通していえることなのですが、○○という文書はデタラメだとか、信用できないとか、
ＸＸという文書は信頼できる。ＹＹの言うことは信頼できる／できない。
だとかいって議論を展開されているのですが、なんで信用出来たり、出来ないのかの説明がないので、
都合の良いように書いているとしか思えず、イマイチ信頼できません。
武田の甲陽軍艦は信用できないとか言いながら、何かの章では「甲陽軍艦にもそう書いてあるので、
真実として見て間違いないだろう」なんて書かれているところがあった気がしますが、
なんで？と興ざめしました。
鈴木氏の指示する説と反対の説を支持する内容の書かれている文書などは、
それは信頼に値しないデタラメ本とか一刀両断されてしまうのですが、
なんで？と分からないのでどちらも信用できません。
私にとっては鈴木氏の展開される説もひとつの見方として聞いておく程度です。
採点：★★☆☆☆
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今川義元の上洛。
有名な武田信玄の肖像画。
川中島での大将一騎打ちの名場面。
これらの戦国時代の常識というか名場面が、実は本当ではないとしたら？
教科書や世間一般で信じられている戦国時代の常識や歴史には
かなりの誤解が存在するのだとか。
非常に楽しみな一冊です。
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著者の鈴木氏からの警鐘は、一般に信じられている戦国時代の歴史にも
研究が進むにつれて真実ではないと分かってきたことも多々ある。
よく分からなかったために、もっともらしい説がいつの間にか広く普及し
それが歴史として定着してしまったものも少なくない。
ただし、こういうものについては確たる歴史的証拠があるわけではないので、
単に鵜呑みにしてしまうのは危険で、近年、それを反証するような説や文献も多くある。
ＮＨＫには多くの人が盲目的に信頼を寄せているため、
特に大河ドラマは人気があることも手伝って、その場面や歴史の出来事の解釈を
歴史的事実と誤認してしまっている人が多い。
それだけでなく、意図的というか確信犯的なウソが制作側にも見受けられるとのことです。
中身の各アイテムの議論ではしばしば大河ドラマの歴史誤認（確信犯）のある場面など、
結構痛烈に批判しているように読めるのですが、あとがきではそうではないのだと弁明しています。
ＴＶドラマを成立させるためには、歴史的事実を知っていたとしてもドラマ性を持たせたり、
視聴者にわかりやすくするために、敢て事実をそのままは表現しないこともあるだろうと、
十分に理解も示しています。（そんなの当たり前と思いますが...）
その割には大河ドラマに対しての批判がましいコメントが多いんですよね...
でも、上記のようなことを理解されているならそんなに言わなくてもってぐらい。
この批判を見ていると、大河ドラマを見て日本は歴史を捏造する国だと言っているようなもの。
ＴＶドラマにそんなに向きにならなくても。
まあ、ＮＨＫに対しての尊敬と信頼の気持ちの裏返しといったところでしょうか？
私なんかは全然信用も信頼もしていないから、全く気にならない。
さてさて、肝心の内容ですが、全体としてそれなりに楽しむ事は出来ました。
ただ、驚くような新事実はないので、インパクトはあまりありませんでした。
暇つぶしに読むにはいいけど、敢て人に勧めるほどではないかなと。
今まで誤解していたこともありますが、大きく意識が変わるような内容ではありませんでした。
印象に残ったことと言えば、当時の人たちは実名で呼び合うことはなかったということ。
家康殿、信長様なんて呼ぶのはもってのほかだったとか。
仮に同格や上司に向かってそんな呼び方をしたら身分剥奪の上、放免でも不思議でないぐらいとか。
部下に向かっても名前で呼ぶのは憚られたとのこと。
でもＴＶドラマでは名前で呼ばないと視聴者に誰のことか分からなくなってしまうから
しょうがないですよね。
あと、美濃の斉藤道三は坊さん油売り、一国の主になったと言われていましたが、
どうやら仏門から下俗、油売りをしていたのは父親だったことが分かってきたようです。
なので、実は二代がかりでの美濃の国をとったのだとか。
それを示す証拠というか文書が見つかっているので、ほぼ間違いはないのだとか。
でも、全体に通していえることなのですが、○○という文書はデタラメだとか、信用できないとか、
ＸＸという文書は信頼できる。ＹＹの言うことは信頼できる／できない。
だとかいって議論を展開されているのですが、なんで信用出来たり、出来ないのかの説明がないので、
都合の良いように書いているとしか思えず、イマイチ信頼できません。
武田の甲陽軍艦は信用できないとか言いながら、何かの章では「甲陽軍艦にもそう書いてあるので、
真実として見て間違いないだろう」なんて書かれているところがあった気がしますが、
なんで？と興ざめしました。
鈴木氏の指示する説と反対の説を支持する内容の書かれている文書などは、
それは信頼に値しないデタラメ本とか一刀両断されてしまうのですが、
なんで？と分からないのでどちらも信用できません。
私にとっては鈴木氏の展開される説もひとつの見方として聞いておく程度です。
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