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「読書の時間」は備忘録として読書の感想や書評をまとめたサイトです。

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COACHがGUCCIより売れてるって、本当ですか?鈴木宣利

日本でも大人気のブランドCOACHとGUCCIが題名になっていますが、
COACHの方が売れているとは知りませんでした。

アメリカでは値段が手頃ですが、日本では高いので???と思っていましたが…

マーケティングの話のようですが、面白そうだったので読んでみることにしました。

COACHがGUCCIより売れてるって、本当ですか?

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端的に言えば、外れでした。
何を書いてあるのかよく分かりません…
説明しているマーケティングの理論や戦略が分からないということではありません。
この本が何を言いたいのかが分からないのです。

マーケティング理論については基本だと思います。
アメリカにいたとき、マーケティングの授業で一通り習いましたから。

あとがきで、マーケティング理論やテクニックはどう役にたつのかが
著者自身分からなかったために、身近な成功している企業を分析してみたとありました。
最初に書いておいて欲しかったところですが…


COACHはポジショニングで成功したとありますが、ホントかな?
コンペティターのいないニッチに参入したからだと。
それだけじゃないと思うんだけど…

他のブランドもありますよ。同じポジショニングのところに。
勝手にないことにして、ポジショニングでグッチに勝ったとはおかしいと思います。
グッチには競合がいっぱいいるけど、コーチのゾーンにはいないって事はないんだし。
勝手にいないことにしていますが。

COACHはなぜ同じポジショニングのゾーンで競合他社に勝てたのか?
そのマーケティング戦略は?
その説明がないどころか、競合がいないことになっていますから…

分析としては不十分だと思います。


その他、今、勝ち組の代表ともいえるスターバックスやDS Lite、iPod、IKEA、
Amazon、Google、リーブ21の事例を元にマーケティング戦略を分析しています。

スタバでのMissionとVisionを通じての企業価値・サービスの定義
→MissionやVisionが必要がということにはもちろん大賛成ですが、
 (著者が指摘する通り日本ではこの価値を認めない人が確かに多い。)
 これはマーケティングじゃないし。

DS Liteは顧客層を定義することによるマーケットインの開発を説明。
→この章はなかなかよかったかな。

iPodではpackagingサービス戦略。
→なんか本質をとらえていない気がするんですよね。
 マーケティングで勝ち組になったというのであれば、
 技術的には対応できたはずのSONYはなぜ出来なかったのか?
 その差を説明しないと…

IKEAはブランディング。
→スイスのイメージは日本ではそうかも知れませんが、欧州ではちょっと違うはずです。
 まじめで技術レベルは高いけれど、自分勝手で協調性のない国家って思われているので、
 それだと、海外(日本以外での)IKEAの成功の説明は出来ません。

Amazonはロングテール理論とSCMについて。
→マーケティングってよりもビジネスモデルの話だし。

リーブ21は広告戦略。
→それぞれのコミュニケーションチャンネルでの到達度や効果などの数値的な話も欲しかった。
 なんかリーブ21でなくても、もっと一般的な話と何も変わらないし。


ということで、それぞれの章で、身近な成功企業の事例を使ってマーケティングの理論や
その効果をわかりやすく説明してくれようとしているのかな?と今になれば思うのですが、
どうも、ちょっと無理矢理な感じがあり、本質をついていないので、
何を言いたいの?という感じがしてしまいました。

マーケティング理論やテクニックの入門編。
それらを成功事例で紹介と明確に分かっていれば少し読み方も違ったかもしれませんが。
いや、そうであれば読まなかったと思います。


とはいえ、そういう目的で読むのであれば、
マーケティングのさわりに触れるのにはちょうど良いかもしれません。


採点:★★☆☆☆









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