落合博満氏の
采配を読みました。
選手としても3冠王を3回取り、45歳まで現役を続け一線で活躍し、監督となってからも中日ドラゴンズを常勝チームにしたというすごい実績を残しています。
さらに、監督となってもオレ流(竜)と言われ、球界の常識とは異なった方針や戦略を取ったと言われています。私は野球に関して詳しくないので、そういうモノなのかな〜と何となく信じていたのですが、そうであれば、どうやって落合氏がドラゴンズを常勝軍団にしたのかが逆に興味が湧きました。
ということで、ずっとこの本は読んでみたいと思っていたのですが、ようやく読む機会に恵まれました。
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内容を読んでいると、別にとても珍しいことや変なことをしている分けじゃなく、とてもロジカルに考え、理にかなった事をしていると感じました。
監督としての姿勢、コーチとしての役割、選手としての成長や気持ち、しかも一流選手と落ちこぼれ選手の両方の立場からやるべき事やどう考えるべきかが説かれています。
自分の経験や他の選手や監督、コーチなどの観察から各々のシチュエーションについてどう対処するべきか、その理由などが書かれています。実績や結果から物事の本質を見極め、将来の結果に結びつけていく考え方はとてもロジカルで参考になります。
都度、様々な経営戦略にも通じるような考え方が示されており、やはり、目的と目標が明確であれば、それを達成するためには何をするべきかということが、(それなりの能力のある人には)自ずと見えてくるモノなんだな〜と感じました。
それぞれの話が、それぞれとても参考になりますが、特に印象深かったのが次の2つのエピソードです。
まず最初は、落合氏は現役時代、外角のボールをライトスタンドに運ぶのが得意だと思われていて、しかもそれが強みだと思われていましたが、実はそうでは無かったというのがビックリです。野球にあまり詳しくない私ですらそういう印象を持っていましたから...
本人は日本人の体格やパワーでは外角のボールをライトスタンドに運ぶのは難しいと感じており、だから真ん中〜内角のボールをライトスタンドに運ぶ技術を身につけたそうです。そもそもスコアラーは元野球関係者であることから、真ん中から内角のボールをライトスタンドに運ぶのは無理だと思っている先入観があるから外角と付けてしまうという、経験者ならではの盲点があったとのことで、しかも、それの勘違いによって相手のピッチャーも外角よりも内角に投げてくるようになるから一石二鳥だったようです。
そして、それを守るため、引退するまでそのことは絶対に味方にでも話したことは無かったそうです。
監督になって、若手の選手から外角のボールをライトスタンドに運ぶ技術を教えてくださいと言われると、ピッチャーを呼んで、現役時代に俺に外角をライトスタンドに運ばれた事あるか?と聞いたそうです。ピッチャーはちょっと考えて、そういえば私は無いな〜?と答えたとか...
もうひとつは監督1年目、セリーグ優勝をした後の秋季キャンプに川上憲伸と谷繁?だったか誰か主力を連れて行ったと言う話です。
通常、秋季キャンプはシーズンの疲れを取るために主力は参加しないようなのですが、落合は監督の権力を発動して2人に参加を指示したのだとか。とはいえ、キャンプで何もさせないので2人から何故キャンプに招集したんだとの質問があったため、その真実を明かしたのだとか。
2人はチームを代表する主力だったので、優勝後はTV出演や後援会に呼ばれるなど忙しくなり、疲れが抜けず、トレーニングも出来ないと踏んだための処置だったとか。監督に無理矢理キャンプに連れて行かれるとしたら、後援会への言い訳にもなるからという配慮だったようです。
自分が嫌われ役を演じることでチームのためになるのがリーダーの役割だとか。
他のエピソードや考え方についても非常に参考になります。
とはいえ、1つ不思議に思ったのは、落合氏はとても至極真っ当なことを書かれていますが、他の監督達はそうじゃないのかな〜という疑問です。1つの世界でトップに上り詰めたような人たちがバカばっかりってことは無いでしょうから...
頭では分かっているけど、実際やるためにはしがらみや相性などで難しさがあるって事なんですかね...
分かっていない人たちについては話にならないと思いますが...
2014.05.11
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